東北大学 工学部機械知能・航空工学科一般入試で合格
 

目的意識を持って
授業中心に勉強したことが
合格につながりました

平成24年3月特別進学コース卒 阿部 くん(利府西中出身)

日常生活の「なぜ」を
解明する科学が面白い


 両親が小学校教諭なので家の本棚には子供向けの学習書が多く、幼い頃から「昆虫の採取方法」や「鳥類の観察」など科学の本を読んで育ちました。その影響で、身の周りの現象を「なぜだろう」と考える習慣がついたのかもしれません。たとえば、自転車はなぜ車輪が滑らずに走れるのか? ペダルを漕ぐ力がどんな風に前進する力へ変換されるのか? 高校で習う物理や化学は、そんな日常の中で生まれた不思議を実験や法則・定理で解き明かしてくれて、毎回ワクワクする面白さがありました。将来は研究者をめざそうと夢が固まったのも、特別進学コースで中身の濃い授業を受け、知的好奇心が刺激されたおかげです。東北大学工学部は次世代マイクロシステムMEMS(メムス)における最先端の研究で知られていて、ナノサイズのマシンを作って動かすことに興味を覚えました。コースを決める大学2年の後半まで、流体力学やバイオロボットシステムなど多彩な分野の専門科目を学べるカリキュラムも魅力でした。

難しい課題に揉まれながら
着実に力をつけました


 特別進学コースの授業は予想以上のきつさです。しかし、課題を解き、予習復習を怠らなければ絶対に成績は伸びます。たとえば、英語と数学。英語の授業で、次回まで内容を理解してくるようにと英文が印刷された分厚いプリントの束を配られた時は驚きました。それでも、辞書を片手に音読しながら必死で長文を訳すうち、構文のパターンや文章のリズムが少しずつ頭に染みこんできます。数学の課題は過去の入試で出された難問ばかりで、最初は解き方の見当さえつかないのが、回を重ねるごとに問題の趣旨や解答の組み立て方が読み取れるようになりました。私は3年間、塾も予備校にも行っていません。毎日の授業をきちんと理解することが、最も成果の出る受験対策です。震災の時は、遺体安置所へ運び込まれる白木の棺や泣いているご遺族の方々を目にしてしばらく勉強が手につきませんでしたが、震災を受験失敗の言い訳にしたくない、自分には毎日積み重ねてきたものがあるじゃないか、と気持ちを奮い立たせました。
 後輩へのメッセージは、楽しく勉強すること。授業の内容を面白いと感じるなら、勉強も自ずと楽しくなるでしょう。自分がその大学をめざす理由を考え、合格するために今すべきことは何かと目的意識を常に持っていれば、どんな難関も突破できるはずです。