日時:平成18年8月17日(木)
場所:宮城県議会庁舎 第2委員会室
参考人意見聴取
 仙台育英学園高等学校 校長 加藤 雄彦
 被害者遺族         細井 実
 
   
 「5.22交通事故」のような悲惨な事故が二度と起こらないようにするため、県独自の「交通安全条例」を制定する準備が進められています。8月17日、この条例制定を目的とした宮城県議会の交通安全条例検討調査特別委員会が開かれ、本校 加藤雄彦校長と事故で亡くなった細井恵さんの父 細井実さんが参考人として意見陳述をおこないました。

 最初に意見を述べた本校 加藤校長は、「5.22交通事故」により同特別委員会が設置されたことに謝意を表し、事故以来続けられている本校生徒による飲酒運転撲滅運動のための署名活動においておよそ20万人の署名が寄せられていることを報告、「この事実こそ同事故が持つ反社会的行為に対する県民の意識の高さの表れ」と述べました。しかし、一方では、悲惨な『5.22交通 事故』が世間に広く知らされたのちも飲酒運転による事故が後を絶たないことに触れ、「被害者救援が義務となっているにもかかわらず、飲酒の事実を隠蔽するため事故現場から逃げ去ってしまう事例が数多く起きている」ことに憂慮するとの意見を述べました。

 続いて意見を述べた細井実さんは、飲酒運転による信号無視という許し難い犯罪によって恵さんの命が奪われたことへの悲しみと事故への憤りを述べ、その後の裁判のいきさつ等について話した後に、『交通安全条例への要望』として、「事件が起きた5月22日を『宮城県飲酒運転撲滅の日』と定めて、取り締まりや啓発活動をおこなう」「飲食店や駐車場、同乗者などに飲酒運転の警察への通報義務を課す」「飲酒運転をした者への罰則を強化する」などを提言。加えて、「条例は強制力を持たせたものにしてほしい」との要望を述べました。

 委員会終了後、報道関係者からの要請によるインタビューに応じた内海太委員長は「強制力のある条例」について触れ、「強制力が伴わなければ事故は終わらないということを強くお話しされていましたが、このことは今回の条例の制定にあたって一番の課題になると思います」と話しました。
 
   
 仙台育英学園高等学校 加藤 雄彦校長の陳述内容  
   
 被害者遺族 細井 実さんの陳述内容(PDF,1.2MB)  
   
 内海太委員長へのインタビューより