平成17年10月11日午前10:00〜午前11:00
仙台地方裁判所第102法廷
裁判長1名 裁判官2名
 

裁判長:これより開廷します。
    これまでの見聞調書に基づいて審理を進めます。

検察官:今回も証人が出るので証言を証拠として採用していただきたいと思います。

裁判長:弁護人は特に意見はありませんか。

弁護人:特にありません。ただ、見聞調書の写しを持ってきているので、
    何かありましたらご意見願います。

検察官:調書に一部訂正箇所がありますので、訂正願います。

裁判長:弁護人はよろしいですか。

弁護人:はい結構です。

検察官:6ページのところ、居酒屋Jでの酒の分量の部分ですが、中ジョッキ
    500ミリリットルとあるところ250ミリリットルとしていただきます。

裁判長:同ページ訂正、500ミリリットルを250ミリリットルとします。

裁判長:証人のHさんを入れてください。
    証人の名前はHさんですね。
    生年月日や住所については調書にあるとおりで間違いありませんね。
    これから、証人として立っていただきますので、うそを言わないという
    宣誓をしていただきます。

証 人:(宣誓書を読む)

裁判長:宣誓をしていただいたとおり、うそを言わないで証言してください。
    これから検察官と弁護人がいろいろ質問し、記録をとりますので、
    質問に対してはっきりと答えてください。尚、分からないとき、
    聞き取れないときは、そのようにはっきりと申してください。

検察官:証人は平成17年5月22日0:15〜3:30頃まで、被告人を店で接待したことがありますね。

証 人:はい、あります。

検察官:証人は今の店には平成16年5月頃から勤めているのですね。

証 人:はい。

検察官:あなたは平成17年5月21日午後9時ごろから、
    22日午前4時ごろまで勤務していましたといっていますが、
    被告人はその間の午前0:15〜3:30あなたの店にいましたね。

証 人:はい、いました。

検察官:被告人はあなたの店に何回ぐらいきましたか。 5月22日までですが。

証 人:6回ぐらいです。

検察官:1ヶ月ではどのぐらいですか。

証 人:月に1〜2回ぐらいです。

検察官:いつも1人ですか。

証 人:1人でなく友人と来ます。

検察官:1人でないことが多い。いつも何時間ぐらいいますか。

証 人:3時間ぐらいが多いと思います。

検察官:調書にあるDちゃんとはSさんでいいですか。

証 人:いいです。

検察官:被告人は証人としてはだいじなお客さんということですが、
    この日5月22日はSさんと来たのですか。

証 人:はいそうです。

検察官:被告人が店に来たとき、既に酔っていましたか。

証 人:そうでもなかったと思います。

検察官:証人の店に来た時の被告人の様子はいかがでしたか。
    例えばふらついていたとか、ろれつが回らなかったとか。

証 人:そのようなことはなかったと思います。

検察官:証人は被告人が来て直ぐ接待を始めたのですか。

証 人:はい直ぐ始めました。

検察官:帰る時まで接待したのですか。

証 人:そうです。

検察官:被告が飲んだ酒は何ですか。

証 人:鏡月グリーンでした。

検察官:この酒の度数は20度ですね。

証 人:はいそうです。

検察官:被告人はそのとき新しいボトルを開けましたか。

証 人:最初のものがなくなってから開けました。

検察官:前に来たとおっしゃいましたが、この前に来たのはいつ頃ですか。

証 人:3〜4ヶ月前だと思います。

検察官:しばらく来ていなかったのですね。

証 人:はい。

検察官:前のボトルにはどれぐらいの量が入っていましたか。

証 人:はい、1/3ぐらい入っていました。

検察官:その量を警察でシリンダーで測りましたか。

証 人:はい。

検察官:例えば何ミリリットル入りでどのぐらい入っていたとか覚えていますか。
    記録によれば、280ミリリットルと確認した覚えがありますか。

証 人:はっきりとはいえませんがそのぐらいだと思います。

弁護人:そのように何ミリリットルなどの数字の記憶まで
    求めることはできないと思います。

検察官:確認のために質問しています。
    280ミリリットルであることは間違いありませんか。

証 人:そうだと思います。

検察官:帰りまでに新たに開けたボトルの焼酎はやはり20度のものですか。

証 人:そうです。

検察官:そのボトルはどのぐらいの容量でしたか。

証 人:700〜720ミリリットルと思います。

検察官:被告人たちは帰りまでどのぐらい飲んだのですか。

証 人:約半分ぐらいです。

検察官:半分ぐらいの確認はできましたか。

証 人:はい。

検察官:そのときの具体的な量について、警察でシリンダーで測ったとき、
    残っていたのが380ミリリットルだったのですが記憶にありますか。
    (飲んだのは330ミリリットル)

証 人:はい。

検察官:先のボトルと後のものを合わせて約610ミリリットルとなりますね。
    大まかな量としてはこのぐらいでよろしいですか。

証 人:そうだと思います。

検察官:飲んだ量についてですが被告人、Sさん、
    証人の3人での飲んだ割合は少ないのは誰、一番多いのは誰といえますか。

証 人:私が一番、その次が被告人、Sさんの順です。

検察官:0時15分から3時30分頃まで間断なく飲んでいたのですか。

証 人:途中休んだ人もおりました。

検察官:それは誰ですか。

証 人:Sさんです。

検察官:どれぐらい休んでいましたか。

証 人:1時間ぐらいと思います。

検察官:難しいとは思いますが、飲んだ割合はそれぞれどのぐらいだったか
    覚えていますか。例えば全体を10とすれば、この人が4とか3とか。

証 人:・・・・私が一番飲んで4ぐらい、被告人が3、Sさんが2〜3ぐらいだと思います。

検察官:被告人自身何倍の水割りを飲んだか分かりますか。

証 人:7杯〜8杯だと思います。

検察官:間違いありませんか。

証 人:そうだと思います。

検察官:被告人との話で何か覚えていることはありますか。

証 人:地元の話などです。

検察官:その他何か被告人の様子について覚えていることはありませんか。

証 人:帰る時とかですか。

検察官:帰るときに足元がふらついているとか、ろれつが回らないとか。

証 人:そのようなことはありませんでした。

検察官:見た目にはそのようなことはなかったということですね。

証 人:そうです。

検察官:車できていたとかの話はありませんでしたか。

証 人:特にありませんでした。
    被告人がどのような交通手段で来たのかは分かりませんでした。

検察官:以前に来た時、そのような話を聞いた事はありませんでしたか。

証 人:特にそのような話題がでたことはありませんでした。

検察官:タクシーや代行運転についての話は出ましたか。

証 人:特にありませんでした。

検察官:支払いはどのようにして帰ったのですか。

証 人:2人で7万円ぐらい。2人で払いました。

検察官:お金は証人に渡したのですか。

証 人:店の黒服に支払っていきました。

検察官:被告人が店から出るときの様子ですが、眠そうにしているとか、
    足元がふらついているとか、入ってきたときと比べて
    違っていたことはありませんでしたか。

証 人:陽気になっていたことを除けば特にありませんでした。

検察官:店のほうで誰かに迎えに来てもらうなどということはありましたか。

証 人:ありませんでした。

検察官:客が酔っている姿をホステスの人達が見ることは多いのですか。

証 人:少ないと思います。

 
 
<反対尋問>
 

裁判長:弁護人反対尋問をして下さい。

弁護人:22日の午前0時30分ごろ、そのときでお客さんは何人ぐらいおりましたか。

証 人:4組ぐらいです。

弁護人:何人ぐらいで接待していましたか。

証 人:10人ぐらいです。

弁護人:その間お客さんを接待していたのですね。

証 人:はいそうです。

弁護人:被告人には帰るまでずっとついていたのですか。

証 人:2人のホステスがついていることになっていました。

弁護人:他の女性もついていたのですか。

証 人:はい、ついていました。

弁護人:被告の接待には延べ人数は何人ぐらい接待したのですか。

証 人:6人ぐらいです。

弁護人:被告人が飲んでいた時、3人だったといっていましたが、
    接待していた中で他に飲んだ人はいなかったのですか。

証 人:他に1人いました。

弁護人:その人の名は。

証 人:Mちゃんです。

弁護人:あなたは接待していた時、時折抜けた事はなったのですか。

証 人:少し抜けて、その間もう1人が付きました。

弁護人:あなたが接待していて、被告人が帰るあたりは、
    お客は何人ぐらいいましたか。

証 人:2組です。

弁護人:お客さんの数によって、接待する人の数は増えるのですか。

証 人:それはありません。

弁護人:先ほど検察官から被告人が帰るまでの間にどれぐらいの量を飲んだのか
    聞かれた時数字はあまり確かではない、覚えてはいないと答えましたが、
    その辺はどうなのですか。

証 人:あまり良く覚えてはいません。

弁護人:今回の事件が起きた後に警察で当時の状況を実験したのですか。

証 人:はい。

弁護人:先ほどあなたはもとのボトル1/3ぐらい、
    新しいボトル半分ぐらいと話しましたが、
    警察の実況見聞の時にそのような話をしたのですか。

証 人:はい。

弁護人:具体的に言えば目分量で答えたのですか。

証 人:はい、目分量で答えました。

弁護人:正確な計量に基づいて答えたのではないのですね。
    そのような実況見分に答えたのは、何月何日ごろですか。

証 人:あまり正確には覚えてはいないのですが、3日か4日後ぐらいです。

弁護人:先ほどの検察官の質問に対し、飲んだ割合があなたが4、被告人が3、
    S氏が2〜3と言いましたが、さっき3人以外に1人女性がいましたよね。
    そうすると、飲んだのは3人だけではないということになりますよね。

証 人:その子は1杯も飲んでいないと思います。

弁護人:それでもボトルからは出ていますよね。おおざっぱに言えば、
    (被告人は)ボトルの焼酎を約1/3以上飲んだように受け取れますが、
    実際の割合は1/3は超えていないということではないのですか。

証 人:・・・・・・よく分かりません。

弁護人:先ほど何杯の水割りを作ってかということについて、
    7〜8杯と答えましたよね。ところで、あなたは先の検察側の取調べでは
    10杯で間違いないと答えていますね。どちらが本当なのですか。

証 人:前のことなので記憶が曖昧になっていると思います。

弁護人:前に被告人は6回ぐらい来たといいましたが、あなたの店に来ると、
    いつもこのぐらいの時間に帰るのですか。

証 人:だいたいこのころです。

弁護人:3時半ぐらいなのですね。

証 人:帰るのはそのころです。

弁護人:前来たときですが、遅くなっても帰る時間あたりで
    大変酔った様子を見たわけではない。
    今回も酔った様子は見られなかったのですね。

証 人:はい。

弁護人:あなたの店はビルの中にあると言うことですが、何階にあるのですか。

証 人:5階にあります。

弁護人:客が帰るとき送ったりしますか。

証 人:店のドアを開けてエレベーターのところまで送ったりします。

弁護人:エレベーターは店のドアからどのぐらい離れていますか。

証 人:2〜3メーターぐらいです。

弁護人:短い距離ですね。

弁護人:今回送っていったとき、酔った様子はなかったのですね。

証 人:はいそうです。

弁護人:ボトルの容量についてですが、鏡月グリーンのボトルは
    700〜720ミリリットルといいましたが、同じ種類の酒でも
    700ミリリットル前後などいろいろあるのですか。
    700、710、720ミリリットルなどあるのですか。

証 人:いろいろあります。

弁護人:通常容量はボトルのラベルに書いてありますね。
    700ミリリットルとか全部同じではないのですか。

証 人:700ミリリットルというのもあれば720ミリリットルと
    書いてあるものもあります。

弁護人:店にあるものは見たことはないですか。

証 人:あまり覚えてはいません。

裁判官:私のほうからお尋ねします。まずグラスに注ぐ分量は
    水割りにするとどのぐらいになりますか。1杯の分量ですが。

証 人:測ってはいないし、特に割合などはなく、その時々によると思います。

裁判官:だいたいでよいのですが、焼酎に対して水の割合はどうですか。

証 人:特に定まってはいませんが、焼酎に対して水は4倍ぐらいにします。

裁判官:証人は7〜8杯作ったといいましたが、被告人が自分で作ったり、
    他の女の子が作ったりしたものはなかったですか。
    証人が作ったのが7〜8杯、被告人が飲んだのが10杯ぐらい。
    これについてどう思いますか。

証 人:私が席を立ったときに他の子が作ったのかもしれませんし、
    注ぎ足したりなどして10杯の可能性もあります。

裁判長:Sさんが途中1時間ぐらい寝ていたといいましたが、
    酒は進まなかったのではないですか。
    Sさんの酒の量はもっと少なかったのではないですか。

証 人:確かに途中寝てはいたのですが、延長した時などは起きていました。

裁判長:最後のほうではあまり飲んでいなかったということですね。

証 人:はいそうです。

裁判長:被告人に関しては一貫して飲んでいたということですね。

証 人:そうです。

裁判長:途中で飲むのをやめたとかはありませんでしたか。

証 人:ありませんでした。

裁判長:それではこれで証人尋問を終わりにします。
    検察官は何かありませんか。

検察官:特にありません。

裁判長:弁護人は何かありませんか。

弁護人:(検察側の)被告人の飲酒状況について、全てにおいてどういう
    状況だったか被告人が言いたかった内容と表現が異なっていて、必ずしも
    満足できる状態ではありません。こうこうの部分と指摘しておきながら、
    どこかの部分に不確実さがあるものですから、被告人の飲酒状況や
酒酔状態に
    ついて一部ということではなく、全部について争うことになると思います。
    被告人がどういっていたのか確かめたいのです。

裁判長:このことについては採用します。
    この件についてかいつまんで証拠説明してください。

検察官:(以下のことについて証拠説明を行う)
    ○ 運転していた車の所有者について(被告が伯父からもらったもの)
    ○ 飲酒状況、飲酒相手、高校当時の飲酒運転について
    ○ 18歳当時の飲酒運転で対向車線は見出し衝突事故を起こした事実
    ○ 本件に関する水割りして10杯飲み、限界手前程度飲んでこれを超えると
      具合が悪くなる認識を持った事実
    ○ 店のほうに7万4000円支払い4000円ぐらいしか所持金がなくなった。
      運転代行では5000円ぐらいかかるので、大丈夫だろうと運転をした事実
    ○ 運転状況について・・・Sを乗せて運転した。危険運転を感じながらも運転。
     そのときやっぱり飲みすぎたと感じたがいけるところまでいこうと運転した事実
    ○ 眠気が襲ってきた。安田病院のところで赤で止まって、
     ふと気づくと青になっていた事実
    ○ 引き続き、宮城野区原町のあたりで全身から力が抜け、
      われに返ると左によっており、車線を踏み越えてまたぎながら走っていて、
      またやったかとハンドルを取り直した事実
    ○ 宮城野区バイパスから中野タイヤベストのあたりは45号線をどのように
      運転していったのか覚えていない。
    ○ 警察で言う赤信号無視については覚えていない。
    ○ 事故現場、びっくりドンキーで車に衝突してわれに返った事実

裁判長:おおむね冒頭陳述どおりですが、SU(居酒屋)で300ミリリットルしか
    飲んでいないとありますが事実は何ミリリットルなのですか。

検察官:乙3号証にあるとおりです。(300ミリリットルの1/2)

検察官:ただSさんは水割りを飲んだといっていますが、
    被告人はここのことについては「ウーロン茶を飲んだ」としか言っていません。

裁判長:弁護人の方はこれでよいですか。

弁護人:よろしいです。

裁判長:次回は被告人からいろいろ聞くことになります。
    被告人は10月25日午後1時30分出廷してください。
    以上で閉廷とします 。

 
 
BACK