命を大切にしたい、そして
命の大切さを伝えていきたい

硬式野球部2年 主将 武子 仁大
 
 昨年の暮れ、四国にお遍路の旅に出かけた。何人かは一昨年も参加していたが、私は初めてのお遍路となった。その分、お遍路に対しての興味も深く、どういう旅になるんだろうなと楽しみにしていた。そして、この旅の中で忘れてはいけないのが、2005年に起きた交通事故によって亡くなった3人と一緒に歩くということである。この3人とチームの皆でしっかり歩いて、学ぶことの多い良い旅にしようと思っていた。

 12月3日からお遍路の旅は始まった。歩いてお経を読んでそれを繰り返すという日々だった。ただ歩いてお経を読むだけなのに、いろいろと学ぶことや感じることがあった。人間とは何なのか、自分自身を見つめ直す旅になったと思う。険しい山道を何度も歩いた。山道には急な坂があったり、急な階段もあったりした。雨によってぬかるんだ道もあった。すぐ隣が崖になっている道もあった。綺麗な景色が見える道もあった。安全そうに見えて危険な道もある。いろんな道があった。自分の足で一歩一歩、歩いた道が人生なんだなと思う。

 人生にも上り坂や下り坂はある。全てが平らな道のはずがない。自分が今踏みしめている道、それが人生そのものだと思う。そして、お遍路道を歩く中、いくつもの自然との触れ合いがあった。自然との共存があってこその人生なのだということを学ぶことが出来た。

 全ての生き物には命がある。人間にだってあるし、動物にも植物にもある。生きている中で命があるということは忘れてはいけない。その命がどれだけ大切なものか、改めて感じることの出来た旅だった。この旅を通じて人間の原点に戻れた気もする。事故により亡くなってしまった3人は、この世にはいない。それでもこの旅では一緒に歩いてくれたと思う。3人はこの世で生きることはできない。そんな3人の分も、一生懸命生きていきたいと思う。このお遍路の旅のように、一歩一歩しっかり歩んでいきたい。目に映るもの、手に触れるもの、耳で聞こえるもの、全てを大切にしていきたい。そして命を大切にしたい。命の大切さも伝えていきたい。この世の平和も祈りたい。

 この至誠真勝の旅は、学ぶことの多い良い旅になった。自分の人生の中でも、すばらしい経験が出来たと思う。今までの経験だったり、今後あるだろう経験というのを大切にしたい。この旅をするにあたって協力してくださった方々には、心から感謝申し上げたい。この旅を今後の人生に大いに活かしていきたい。


みんなで読んだお経が
天国にいる3人に届いてくれたら…


硬式野球部 2年 プレーイングマネージャー 根元 健太郎


 仙台育英学園の硬式野球部として、お遍路「至誠真勝の旅」に参加するのは今回で2回目になります。私は2回とも参加させていただきました。前回の旅では、何もかもが初めてで分からないことだらけでしたが、今回は前回の経験もあったので気持ちに余裕が出来、お遍路の決まりなどもしっかり守って一つ一つのお寺を回れたと思います。

 しかし、山道は経験していても大変でした。中でも焼山寺への道がとてもきつかったです。お遍路の中で最も険しいと言われる道のりで約半日山道の上り下りをしました。その道で途中下山して断念してしまう人もいるそうです。それでも自分たちは、仙台育英の代表として四国に行きました。それを思い出して「ここでくじけちゃいけない」と思い、歩ききれたと思います。

 2005年5月22日、3人の同級生が交通事故で亡くなりました。同じ仙台育英生としてとても残念に思っています。前回のお遍路で「お経は亡くなった方々へのエネルギーになる」ということを教えて頂きました。みんなで声を揃えてお経を読んだことが3人に届いてくれたらいいと思います。お経を読むほかに、自分たちが出来ることは何だろうと考えると「今をしっかり生きる」ということだと思います。下を向いて生きていくよりも、精一杯生きたほうが絶対にいいと思います。好きな野球を思い切るやることで3人が喜んでくれると信じています。来年3人の仲間と共に卒業します。3人が生きることが出来なかった高校生活の分も、前を向いて悔いのない高校生活を送っていきたいです。

 最後に校長先生や石原大先達さん、この旅を支えてくださった先生方に感謝したいです。自分たちだけでは出来ない経験をさせて頂きありがとうございました。また、旅を通じて普段歩いている道や食べている食事のありがたみも感じることが出来ました。何気ないことも本当は凄いことなんだと学びました。そして今、自分がここで生きている、生活しているという環境に感謝したいです。お世話になっている先生方や仲間、家族が支えとなって生きています。それを忘れずに、普通の生活が出来ていることに感謝して前向きに今を生きたいと思います。


亡くなった3人のために
何ができるか考え続けた旅でした


硬式野球部 2年 マネージャー 鹿間 哲平

 まず事故犠牲者3人の追悼のために、再び学校代表としてチーム代表として、このお遍路「至誠真勝の旅」に参加できたこと、本当に感謝します。ありがとうございました。私がこの旅ですごく学んだことは、自分自身に対する命への想いだった。

 私は前から親に「命だけは大切にしなさい。命があるからこうやって幸せでいられるんだよ」と教えられてきた。しかし、今回の3人の犠牲者は違う。これからの人生を飲酒運転をしていたたった一人のドライバーのせいで尊い命を失ってしまった。本当に残念に思う。命に対する想いというのを改めて考えさせられた瞬間でもあった。3人のために何かして上げられないかと望んだこのお遍路。本当にいろいろな経験をさせて頂いた旅でもあったと思う。また、このお遍路そのものが人生なのではないかなと思った。一つの目標を達成するにも上り下りがあり、険しい崖があったりと人生なんだなと感じた。

 3人のために何かしてやれないかなと仲間に聞いてみたところ「お経が一番」と教えてくれた。やっと3人のために自分が何か出来ると思いながらお経を読み続けた。このお経が本当に天国の3人に届けばいいなと思う。

 また、自分達の今やっている野球でも日本一をつかみ取り3人に必ず報告したいと思う。他に何か出来ないかと考えていた時、大先達さんに命を大切にすることが一番だと教えていただいた。最近のニュースでも死にたくない人を殺したり、いじめにより自分の命を絶ったりと変な事件が多い。だからこそ自分たちは一日でも長く生きることが大切なのかもしれない。これから3人のためにも必ず一日でも長く生きて、自分達の大好きな野球を見てもらい、一緒に甲子園に連れて行き日本一をプレゼントしたいと思う。それが3人への最高のプレゼントではないかと思う。

 最後に、このお遍路では本当にいろいろな経験をさせて頂き感謝しています。こんな経験が出来たのも校長先生をはじめ石原大先達さん、支えてくれた先生方のおかげだと思います。本当に感謝申し上げます。この経験を野球に活かし、必ず日本一をつかみ取りたいと思います。これからも応援よろしくお願いいたします。


山あり谷ありのお遍路は
人生そのものだと思います


硬式野球部 2年 高橋 巧


 今回のお遍路は2回目ということで、前回の反省を活かしてのお遍路となった。今回は山もたくさん登ったり、前回に比べると長く歩いたなと思う。歩いた中でも山の頂上に着いたときはすごく疲れたが大変感動した。あの景色は本当に綺麗で、登った甲斐があったと思えた。

 自分たちは3人と一緒に歩いていて、3人も同じ景色を見ていたと思う。それは本当に嬉しいことで、自分たちには3人がついているんだと思うと心強くなる。

 このお遍路は山あり谷あり平地ありで人生そのものだったと思う。これをしっかりと活かしてこれからの人生をしっかりと生きていこうと思う。本当にありがとうございました。今年こそみんなの力を結集し頑張ります。


険しい道のりを歩ききったことで
精神的にも強くなりました

硬式野球部 2年 佐藤 由規


 今回は2回目ということでお経もすらすらと読めるようになった。しかし、お経を読むまでには急な坂道を長い時間登ったり、ぬかるんだ道を歩いたりとても大変だった。だが、それを歩ききったことで自身にもなったし精神的に強くなったと思う。

 四国に行って感じたことの一つに、こんなに離れた場所でも仙台育英という学校は誰でも知っている有名校だということがある。それくらい今まで積み上げてきたものがあり、自分たちはそれに傷をつけないように、しっかりと責任を持ち伝統を作っていかなくてはならない。そうやってまた後輩が伝統を引き継ぎ、仙台育英という名が世界中にひろがっていったらすごく嬉しいことだ。

 もちろんそのためには、一人一人の存在というのが大事になる。その一人でもあった3人の犠牲者の人たちは、まだまだやりたいこともあったろうし、もっともっと生きたかったのに、あの事故で全てなくなってしまった。あの3人のためにも自分たちは一日一日を大事に、夢や希望を持って、一生懸命生きていかなければならない。


みんなで辛いことを乗り越えた後、
本当の友情、まとまりが生まれます


硬式野球部 2年 蜂谷 文崇

 私たち17人は事故犠牲者3人を弔うために四国へ約一週間「至誠真勝の旅」へ学校代表として行きました。学校代表とだけあって、いつも以上に緊張感があり、全員が歩くことに集中していました。中でも焼山寺へ向かう山道は何時間もアップダウンを繰り返し全員がヘトヘトになりかけましたが、ひとりも諦めず登りきることが出来ました。野球はチームスポーツで、その中でも一番大切なのが「まとまる」ことです。きっと一人で登ろうとしたときにはどこかで諦めていたかもしれません。でも、チームで登ったので最後まで歩き続けることが出来ました。お寺へ着いた時のみんなの笑顔は、生涯忘れられません。このまとまりを野球に活かさなくてはならないと思いますし、みんなで辛いことを乗り越えた後が本当の友情・まとまりだと思います。

 自分たちは仙台育英硬式野球部である以上、日本一を目指しています。そして、その日本一の報告を3人に出来るようこれからもチーム全員で成長していきたいと思います。今回は本当にすばらしい経験をさせて頂き、ありがとうございました。


「何事も自分から合わせること」、
人生のヒントをもらいました


硬式野球部 2年 佐藤 司


 約一週間四国を歩きました。歩いているときは自分自身を見つめなおすことが出来ましたし、交通事故の3人の犠牲者のためにも自分たちは黙々と真剣に歩くことが出来ました。

 大先達さんには歴史のことをたくさん教えてもらいました。人生で初めてのお遍路の旅。これは本当に自分たちのためにも3人の仲間のためにもなったと思うし、これからは3人の仲間の分まで生きていき、野球でも3人の仲間が喜ぶようなプレーや試合をしていきます。それが自分たちに出来ることだと思います。

 お遍路を経験してみて、自分がまだ知らない世界に足を踏み入れた感じでした。私にとってお遍路の旅は貴重な経験で、今後にお遍路で学んだことを活かしたいと思います。

 大先達さんが「何事も自分から合わせることが大事」とおっしゃっていました。人生でのヒントを貰ったと思います。このヒントを活かし学校生活も野球も向上していきます。貴重な経験をさせて頂き本当にありがとうございました。


たとえ世界が遠くても
3人と喜びを分かち合いたい


硬式野球部 2年 遊佐 光哉


 私は今回でお遍路2回目だったのだが、3人の仲間に対する気持ちはどれだけの時が経っても変わらなくて、今回も常に3人のためなんだと思いながら旅をさせてもらった。

 旅の途中の宿でもテレビを見ると殺人・事故とニュースといえばほぼ生死に関することばかりで、特に飲酒による交通事故を聞くと「どうして、また」と思ってしまう。それは3人の同級生を飲酒の事故で亡くしているからで、その悲惨さが分かるからでもある。酒を飲んだら車に乗らない。ただそれだけのことが出来ずに何人もの人の命が奪われ、その人に関わっていたみんなが飲酒運転撲滅のために頑張っているのにと思うと、なんでそれを自分の事として考えられないのか、命を奪われた遺族の方々の気持ちを考えられないのかと、旅の途中で考えさせられた。

 この旅はチームを強くするための旅でもあり、自分たちは修行としても歩いた。自分たちが何故修行をするのかというと、心身ともに強くなるため。チームを強くするのは勝つためとつながっているが、何故勝つためにやっているかというと、自分達の名誉のためではなく、勝つ事で周りの人たちに勇気や喜びを与えて、仙台育英にいる人たちや関わっている人たちが何かを感じて輝いていってもらいたいという気持ちがあるから。そして3人のためにも勝ちたいと思っている。たとえ世界が遠くても、一緒に喜びを分かち合い、その瞬間自分たちと3人がつながりあえればいいなと思う。だからこのお遍路では、どうか見守っていてほしいということを3人に祈った。今後この旅のことを忘れず、突き進んでいきたいと思う。


3人としっかり向き合えるよう
一生懸命生きていきます


硬式野球部 2年 高橋 清孝


 今回のお遍路は自分にとって去年に続いて2回目でした。去年は修行というより、ここに何をしに来たのか分からない状態でした。しかし、今年はその反省を活かして、一人一人が何をしにここに来たのか、何を思いながら一歩一歩を歩いているのかを真剣に考えていたと思います。

 この歩いている道が人生だと大先達さんはお話して下さいました。山も登るし坂も下る。人生は平らな道ばかりではないということを身をもって体験しました。これを、普通の生活でも忘れることなく生活していきたいと思いました。

 この旅は自分たち野球部だけでしているのではありません。2005年5月22日に起きた交通事故犠牲者の3人とも一緒の旅です。あの事故が起こってから、飲酒運転というものに目がいくようになりました。全国でなくそうと活動しているにも関わらず増え続ける一方です。これでは亡くなった3人も報われません。そして自分自身で何が出来るか考えても、何も出来ることはありませんでした。しかし、この旅で、3人のことは同じ学校の生徒として、同学年の生徒として、一生忘れてはいけないということを思いました。3人を常に思いながら歩いたのが3人には伝わったでしょうか。自分達の出来ることを精一杯やって、3人に対してしっかりと向き合えるようにこれから生きていこう。そして全国の舞台で一緒に戦えるようにしていこう。自分たちは、3人の分も戦って、一緒に勝利を味わえるように頑張ります。


3人に恥じないように、
自分自身を誇れるように


硬式野球部 2年 佐藤 駿一


 初めて四国霊場を歩いて、自分の幼い頃を思い出していた。人は歩くのが移動の基本にある。子供の頃は学校に行くのにも、誰かの家に行くのにも歩いていた。しかし、中学校・高校そして大人へと変わっていく中で、主な交通手段も自転車・電車・自動車と便利に変わっているのが現実だ。そういった現実を少しでも忘れて、まさに「人間とは」ということを問われた旅だったと思う。

 正直、お寺へ行ったりして神や仏に拝むということはあまり大切なこととは感じていなかった。歩いて回ること、そして、事故の犠牲者3人と一緒に歩いたこと。それを考えていた。感じたのは、積み重ねた思い出が音を立てて崩れたって、自分たちはまだ「今日」を記憶に変えていけるということ。3人の人生は、もう積み上げることも崩れることもない。本当に消えてしまわないように忘れない。ただ忘れないことだけだ。だから「自分だけ不幸だ、苦しんでいる」などと思うことはやめにしようと思う。申し訳ないし格好悪い。

 3人に恥じないように、自分自身を誇れるように黙って歩く。列を乱さない。お経を読む。すべて「我慢」につながったと思っている。そして帰ってからも我慢で感じたこと、3人と一緒に歩いて感じたことを忘れず生活していきたいと感じた。


体調を崩したことで
仲間のありがたみを実感


硬式野球部 2年 加藤 陽亮

 まず、私は今回の四国お遍路の旅でみなさんに謝らなければならない。体調を崩し多くの人にご心配ご迷惑をかけてしまった。本当に申し訳ありませんでした。ダウンしてしまったことで一番最初に込みあがってきた感情は「申し訳ない」だったが、もう一つ強く感じたのが「感謝」という気持ちだった。

 ダウンして何も出来なくなっていた自分に同じ部屋のメンバーが氷枕を持ってきてくれたり、熱冷ましの薬や飲み物を持ってきてくれたりした。徳島の宿の女将さんにはとてもお世話になった。熱を出したということでとても心配してくださり、病院の先生に往診の手配までしていただいた。後日お礼の手紙をお送りしたが、もう一度お礼を言いたい。あの時は本当にお世話になりました。

 お遍路のこととは遠ざかる話かもしれないが、自分が何も出来なくなったときに周りの人たちの温かさや優しさを今までにないくらいに感じることが出来、一人では生きていけない、仲間は大切なんだと改めて感じることが出来た。

 私は今回、全部を皆と一緒に歩いていくことが出来なかったが、3日間皆と歩いて感じたのは、去年に増して仙台育英の有名度を感じた。すれ違う人たちに「仙台育英ですか」「頑張ってくださいね」と何度言われたことか。それだけ仙台育英には伝統があり知名度がある。その伝統に泥を塗るわけにはいかない。さらに輝きを放つように、今仙台育英にいる自分たちがやっていかなければいけないと感じた。そして今回の旅で感じたり学んだことを、これから活かしきれるようにやっていきたい。


食べ物に感謝しなければ、と
この旅で初めて感じました


硬式野球部 2年 中根 佑二


 今回のお遍路で感じたことは、食べ物に感謝しなければならないということです。食べ物は全て生きていて、朝昼晩のご飯を食べるときに必ず唱える言葉がありました。どういう意味か考えてみると、食べ物に感謝しなければいけないということのようでした。この旅で初めて食べ物に感謝しなければと感じた。この旅に来なかったらこんな事思わなかったと思うし、ただ何気なく食べていたと思う。


 そして、いろいろな寺を回ったときには、山奥まで歩いたり長い時間歩いたりと、とてもいい経験になりました。人生でも宝物になったと思います。校長先生、大先達さんにはとても感謝しています。大先達さんが言っていたことは何一つ間違っていないと思う。本当にすばらしい人だと感じました。

 そして最後に、生きていることに感謝しています。


お寺にたどり着いたとき
最高の達成感を味わいました


硬式野球部 2年 一丸 昴司


 お遍路の旅を振り返って、いろいろな経験をさせてもらった。まず、交通事故犠牲者3人のことを学校を代表してお経を唱えて弔えたことがある。交通事故犠牲者の3人は自分と同じ学年で、とても身近な人が亡くなったことで、本当に命の大切さを感じた。3人が生きたくても生きられなかった分、自分たちは少しでも長く一生懸命生きなくてはいけないと思う。

 それと、お経を唱えに寺に向かう道中では、長い道や高い山を歩いたり登ったり、雨が降った翌日はぬかるんでいる道も歩いた。でも、その寺にたどり着いたときの達成感がすごかった。さらに登った分だけ景色がすごくきれいだった。みんなで乗り切りまとまることが出来たと思う。

 こういう貴重な経験をさせていただいたので、これからもっと一生懸命に野球に取り組み、3人のためにも甲子園で日本一になりたい。


貴重な体験ができたことを
本当にありがたく思います


硬式野球部 2年 一丸 翔巨


 自分たち硬式野球部17名は、代表として四国お遍路に行き、交通事故犠牲者3人の霊が安らかになれるようにお寺を回った。仙台に残った部員も毎日塩釜神社まで歩いた。お遍路道はきつい山道などもあり、雨でぬかるんだ山道を歩いたりして、とてもいい経験をすることが出来た。社会に出ている一般の人でもこんな経験はあまりしていないと思うので、大変ありがたいと思う。

 やはり、四国に行っても仙台育英はとても有名で、すごい学校なんだと改めて感じることが出来た。その中で、もっと責任ある行動を取っていかないといけないなと思った。この学校の歴史を作った人やいろいろな先輩方に感謝したいと思う。

 そして、その学校に自分たちと同じように夢や希望を持って3人のこう事故犠牲者も入学してきたんだと思う。しかし、それは一瞬で消えてしまい、無念な思いがたくさんあると思う。でもそれでは3人の魂が助からないと思うので、このお遍路で少しでも安らかになればいいと思う。

 これからも3人の仲間のためにも、お世話になっている周りの人のためにも、自分のためにもしっかり生活し野球を頑張りたいと思う。


「自分は生かされている」…、
考えさせられた一週間でした

硬式野球部 1年 橋本 到


 今回1年生で私と加藤が参加してみて、学ぶべきことがたくさんあった一週間でした。何のために歩くのか。一つは交通事故で亡くなった3人のため、次に人間とは一体何なのか、初心に振り返ってみようとするため。

 人間は一人では生きていけない。必ず誰かに、何かに生かされているんだということです。ご飯を食べるにしても誰かが作っているから食べることが出来る。そして、生き物の命を犠牲にして自分の命を保つことが出来ている。

 大先達さんが何気なくおっしゃった言葉がすごく印象に残っています。「動物の命を犠牲にして自分たちはご飯を食べることが出来ているんだから、肉が硬いだの、硬いからいらないなんて言ってはいけない」ということでした。本当にそうだなと思いました。動物だって人間に食べられるために成長したわけではないし、そんなことを思ったこともないと思います。人間が自分勝手に殺して食べ物にしているのだから、一つ一つの食べ物に文句なんて言えないし、無駄にも出来ないと思いました。

 それと同時に感謝することも学びました。その生き物への感謝、自分を支えてくれる人への感謝などです。自分が今こうして何不自由なく暮らしていられること、そして野球までやれていることへの感謝。すごく幸せなことなんだなと感じました。このお遍路で学んだことは活かさなければ、ただ歩いて疲れたということしか残らなくなってしまうので、意味のあるお遍路に出来るように今後しっかりしていきたいです。

 今回1年生で参加したのは私と加藤だけだったので、今後このような機会がまたあった時に困らないように、皆にしっかりと伝えていきたいと思います。

 自分たちは本当に生かされているんだということをすごく感じた一週間でした。


3人の天国からの応援を力にして
一生懸命生きようと思います


硬式野球部 1年 加藤 大輔


 今回一年生として初めてお遍路に参加させてもらい、まず一番に思ったことは命の大切さです。何故かというと、2005年5月22日に仙台育英の生徒3人が飲酒運転のRV車による交通事故の犠牲になってしまいました。一瞬で命を失ってしまうと思うと、本当に命は大切にしないといけないなと思いました。

 私たちは亡くなってしまった3人のために、山道や平地をひたすら歩き続けました。歩いているときは皆が一歩一歩しっかりと地面を蹴って集中して歩くことが出来たと思います。そして、しっかりとお経を唱えることが出来ました。

 このお遍路では、何で歩いているのか、いろいろなことを考えて行動することが出来たと思います。亡くなってしまった3人の分まで一生懸命生きたいと思います。そして亡くなった3人が天国で自分たちの事を応援してくれていると思うので、その応援を力にして今後しっかりとやって生きたいと思います。

 今回のお遍路では、一年生として私と橋本だけが参加しました。今回学んだことをしっかりと同じ一年生や後輩に伝えていきたいと思います。