第5号
 

 
秀光中等教育学校・
仙台育英学園高等学校 (特別進学、外国語、英進進学、教養、フレックスコース)
通信制課程からの報告

 
■秀光中等教育学校
 
10年を踏まえたステップへ
教頭 森田 勝

 新年度113名の新入生を迎え入れました。各学年50〜60名台が続いていたところに昨年度80名に、今年度一気に100名を超え、その増加率が40%、定員に対する充足率が94%に達する定員規模になりました。
 平成8年度開校から10年の歴史を刻み、爾来、教育実践の成果により大きな評価を得てきています。全国的に中高一貫教育校が注目を浴びている中で、特色ある教育内容や医歯薬系学部に強い学校として受験情報各誌に取り上げられ、医学部シェアランキング上位に位置づけられています。
 これら進学実績を支えるために、中等教育学校として特有の教育課程を編成し、学力充実と実践力養成に向けた指導態勢をつくっています。
 一方、建学の精神を核とする豊かな人間性を育む教育を、合同ホームルームやユーロスクール、京都研修などの体験を含めた学習活動の展開を通して推進しています。
 
■特別進学コース
 
18年度大学入試に学ぶ
教頭 戸村 正昭

 今春の大学入試では、特進コースからの国公立大への現役合格者は、延べ60名を数えました。特に発足3年目の「東大選抜クラス」から、3名の東大合格者のほか東北大医学部、難関私大の自治医科大・慶應義塾大・早稲田大等へ多数の合格者が出たことが特筆されます。時あたかも本学園の創立百周年に、錦上花を添える画期的な成果を上げることができたことは、大変意義あることとうれしく思います。
 これまで特進コースでは、生徒一人ひとりの学力を最大限に伸ばすため様々のプログラムを企画して、学習機会の提供と学習環境づくりに取り組んできました。その結果が、今回の大学合格状況に反映したと真摯に受け止めています。今後は、これらのプログラム等をさらに検証し、特進コースの活性化と躍進を確実なものにしたいと考えています。
 特に、自学自習の習慣付けと「建学の精神」の徹底理解を目標に掲げて実践中の宿泊研修「プラン2000」を充実させ、早い時期から厳しい受験を勝ち抜く精神力の育成と人格の陶冶を図ります。そして今春の卒業生が残した実績を後輩たちが、しっかりと受け継ぎ、来春にも、それを凌駕する成果があげられることを期待しています。
 
■外国語コース
 
How to speakから What to sayへ
教頭 浅利 正雄

 今年も長期留学組(21名)の帰国が始まり、約半数の生徒を迎えたところで、彼女たちに配慮したクラスで授業を開始しました。
 このように今年度も、志望進路や習熟度等を可能な限り考慮したクラス編制をし、効率よい学習指導とPLPや個別指導を含む課外講習等とで実力を養い、志望進路を達成させるべくスタッフ一丸となって努力しているところです。
 生徒たちの志望進路は、コースの性格上、比較的揺らぎがありません。それには外国語に対する興味関心が、履修科目、外国人スタッフ、様々な施策により日常的にも満たされる環境が大いに関係していると思います。
 国際化、情報化が一層進展する世の中にあって、今後は「実学型から発信型へ」を展望した指導の在り方が課題となりそうです。その達成度がそのまま本コースの評価に繋がっていくのではないかと考えています。
 
■英進進学コース
 
英進進学コースが目指すこと
教頭 石田 昌彦

 7つの類型を持つカリキュラムを編成し、生徒の適性、進路、学力に応じた授業を実施しています。18年度大学入試で岩手大学、山形大学、福島大学、新潟大学、早稲田大学(文系III、理系Iのクラス出身者)を始めとして、進学志望者の87.3%が合格したのも実施の証左といえます。土曜日に実施している一年次のフォローアップ講座(数学・英語)に今年度より国語を加えました。学校設定教科(基礎英語演習)の履修の相乗効果により、英語を含めた基礎学力がより一層向上することを願っています。
 18年度は「目標を早期に設定し主体的に取り組む努力、態度の育成」、「各類型の特色を生かした教科指導の強化と家庭学習の徹底」、「上位者を中心とした個別指導と学習意欲に乏しい生徒への個別指導強化」、「きめ細かい進路指導の徹底」を重点施策として進めていきます。
 
■教養コース
 
全てに徹底した指導
教頭 鈴木 勝

 このコースの特色は、選択講座制を採用することにより、基本的に3年間クラスも担任も替わらないことです。そのため、きめ細かな進路指導、生活指導の実践が可能であり、特に中途退学防止の強化、学校正常化運動の徹底、生徒一人ひとりの希望した進路の実現が期待できます。
 今年度限りのコースであり、大きな目標を、主に推薦による「大学進学」と「資格取得」を目指すことに置いています。また、「就職希望者」に対しては、前期の月曜日から木曜日の2時間目に、就職のための意識付けと実践的な一般常識や面接等を、きめ細かに指導し、徹底を図っています。
 さらに、厚生労働大臣名で発行される「若年者就職基礎能力修得証明書」を取得できる「YESプログラム」を導入して、一層の効果を上げるよう努力したいと思っています。
 
■フレックスコース
 
このコースの目指すもの
教頭 瀬戸 信男

 日本で初めて、新しいスタイルの全日制課程単位制としてスタートしたこのコースも、4年目を迎えました。建学の精神とともに、一人ひとりの個性を伸ばし、夢を実現します。
 夢を実現するために、1年次は基礎・基本の学力を養い、2年次より自分の将来の進路によって、進学系(文系・理系)、専門系(専門学校系・就職系)、スポーツ系(1年次より)を選択しています。特に大学進学を希望している生徒が、3年次では56名(在籍の44%)もいることは大変うれしいことです。
 今後、全ての生徒のニーズに応えるべくこのコースの特色である「ゆとり」と「自主性」を尊重し、常に研鑽を積み、発想を転換しながらより良い教育課程を編成し改善の歩みを続けていきたいと思います。
 
■通信制課程
 
体験学習の充実
教頭  鈴木 勝

 通信制課程は、仕事や個人的な事情で、毎日学校で学習することができない人のために設置しています。主として「自主学習」が基本ですが、教員の懇切丁寧な週2回(土・日)の面接指導(スクーリング)とレポート作成を通して、高等学校卒業の資格が得られます。
 今年度は、異文化体験学習や校外学習を多く取り入れ、学習内容の充実を図っています。
 最近、時間のゆとりを生かし、本格的な受験勉強をして大学進学を目指している生徒も多く見られます。
 なお、不登校等心に悩みを持つ生徒の受け入れを積極的に進め、さらなる充実を目指して努力したいと思っています。
 
 
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