第7号
 

 
アイ・チャレンジ125
  - 財務バージョン -


学校法人 仙台育英学園 理事長
加藤 雄彦
 

 本年度は、昨年スタートした仙台育英学園創立125周年に向けてのキャンペーン『I-Challenge125』の一環として、財務体質の強化を目指す元年と位置づけております。
 この財務体質強化について述べるにあたって、まず、一昨年度と昨年度において、すでに実施してきたことをお知らせいたします


 一昨年度は、価値変動の激しい株式を中心にした有価証券を一斉に処分した年でした。その結果、仮に7月時点でそのまま保有していたとすれ
ば被ったであろう大損失を回避することができました。
 昨年度は、学園所有不動産の処分を大胆に行いました。学園の校地は、当時約41万平米ほどありましたが、13万4000平米まで圧縮いたしました。これは、前年度の3分の1以下になったことを意味します。処分した主な資産は、那須研修センターと松島研修センターです。
 さらに、宮城野校舎のなかで耐震性に課題のあった「体育館(鵬翼)」と「記念2号館」6755平米を解体し、那須及び松島両研修センターの建物等7282平米を合わせて約1万4千平米を処分いたしました。これらにより、財務体質改善に向けての大幅な資産圧縮を実現することができました。

 その後、那須研修センターは昨年10月26日那須塩原市に、松島研修センターは今年3月31日松島町にそれぞれ無償で譲渡いたしました。今後は公共の運動施設として市民や地域に開放され、活用されていくことになるでしょう。
 一方、この学園の資産縮小によって、生徒たちの日常の教育活動に影響が及ぶことのないような配慮と対応をとってきております。これまで那須研修センターや松島研修センターが担ってきた研修については、その研修目的を活かした新たな研修プログラム(フレッシュマン・デイ)をスタートさせております。
 加えて、高等学校法人として必要な校地、校舎ともに定められている設置基準を充足していることを改めてお伝えいたします。

 一昨年以来取り組んできた資産圧縮によって、学園は大幅な支出削減を実現することができました。このことによって、もうひとつの経営課題である保護者の経済的負担の軽減(学納金の減額)を実施できる見通しがつきました。経営努力と関係者の協力によってこれまでの教育内容や教育課程を犠牲にすることなく、支出削減に結びつけることができたことを感謝しております。
 これらについては、本年度から本格的に始動した「財務体質の強化」という観点からは評価いただけるものと思っておりますし、同時に、「V字型回復」への道筋ができたものと考えております。
 今後は、『I-Challenge 125』の目標到達地点である創立125周年までには確固たる財務基盤を確立し、基金の積み立てを行い、学園運営における自由裁量の余地が生まれるような計画を実現してまいります。

 この春には、ミズノ株式会社の協力を得て、宮城野校舎運動場の改修が終わり、人工芝の素晴らしい運動場が誕生しました。これを契機に、宮城野校舎再開発事業がスタートし、宮城野校舎耐震化プロジェクトがスムーズに推進できますようみなさまの更なるご理解とご支援をお願いいたします。

 最後に一言。これまで約30年にわたり仙台育英学園の財務監査をお願いしてきました木原康宏公認会計士が5月にご逝去されました。長年のご厚情、ご指導に感謝するとともに、先生のご冥福を心からお祈りいたします。

 
 
 
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