育英通信101号
 

2008年度 大学入試 推薦入試合格者からのメッセージ

 
特別進学コース
余暇の時間を削っても
まず机に向かう習慣が
特進で身につきました


山形大学 医学部

に公募制推薦で合格


特別進学コース 3年 遠藤 さん
鳴子町立鬼首中出身



社会的弱者や高齢者に
貢献できる医師になりたい


 私のふるさと鬼首町は豊かな大自然の中にあり、私は家族と町の人々の温かさに包まれてのびのびと育ちました。でも、高校生になってから、鬼首町は医師の数が少なくて、高齢者は不安を感じながら生活しているという事実を知りました。また、学校で参加したボランティア活動「あしなが学生募金」を通して、交通遺児や災害遺児など社会的弱者の多さを目の当たりにしたのです。今まで恵まれた環境にいた幸せを、今度は私が社会に還元する番だと考え、医師になる決意を固めました。山形大学医学部に絞ったのは、高校3年の体験授業で「絶対に私たちが一人前に育ててあげるから、安心して来てください」と私たちを励ます教授の方々の熱意に打たれたためです。
 受験勉強の基本は、とにかく「授業についていくこと」でした。特別進学コースの授業は進度が早く、課題のプリントをこなして予習復習をするだけで精一杯。なかなか自分のやりたい科目まで手がまわらなくて、毎朝4時に起きて勉強していました。今になって考えると、趣味や余暇の時間を削っても、まず机に向かう習慣がついたのは自分にとって大きな財産だと思います。
 国語の小論文対策は、テーマごとに自分の考えをまとめる程度で済ませていたのですが、志望動機を大内先生に見ていただいたところ、「どういう医者になりたいのか、もっと文献を読んではっきり主張しなさい」。指摘を受けてから反省して文献を読みあさり、医師の価値観や現代医療について深く考えるきっかけになりました。英語の加藤先生からは、長文を単語や文法にとらわれることなく、英語のまま頭に入れる読解方法を教えていただきました。文章全体を把握できると、もっと英語の本を読みたいなあと意欲が湧いてきます。このような先生方との出会いがなければ、私は合格していなかったでしょう。



人の心に感動を与える
音楽も続けます


 高校生活で思い出深いのは、2年生の時の合唱コンクールです。クラスで「風になりたい」という曲を選んだものの、難易度が高い上に、日によって練習に来られる人と来られない人がバラバラで、ピアノ伴奏をつとめていた私も苦労しました。でも、本番は全員が心をひとつにして熱唱、美しいメロディーとの一体感に酔いました。最優秀賞に決まった瞬間、みんなと飛び上がって喜んだことが忘れられません。高校の間、どんなに勉強が大変でもピアノは続けてきました。音楽は忙しい生活の息抜きになるだけでなく、人の心に豊かな潤いや余裕を与えてくれます。山形大学医学部には管弦楽団のサークルがあるので、今度はバイオリンにチャレンジして、患者さんたちの前で発表する病院コンサートに参加したいと思っています。医師は激務で、人の命を預かる責任を考えると少し怖さもありますが、誰かの役に立ちたいという謙虚さを忘れずに、これからも頑張ります。
 
   

 
 
外国語コース
海外語学研修で
未来に向けての目標が
はっきり見えました


獨協大学 外国語学部

に指定校推薦で合格


外国語コース 3年 大山 さん
加茂中出身


自国の文化の大切さを
外国で教えられました


 両親の影響で幼い頃から洋楽を聴いていたため、英語のイントネーションは心地良く耳になじみます。英語が好きだから英語を勉強する、そうすれば成績も上がるだろう、という安易な考えを変えたのは、2年生の時の海外語学研修でアイルランドに滞在したときでした。
 ホストファミリーや現地の人が日本文化を理解しようと、茶道や華道について「なぜ座ってするの?」などと説明を求めてきたことに、私はほとんど答えられなかったのです。他の国の言語を学んでいながら、自国の文化を知らないなんて恥ずかしい。ただ話せるだけじゃダメなんだ…。海外語学研修から帰国後、この経験をもとに校内スピーチコンテストで「他国との文化の違いを理解しなければ、真の国際人にはなれない」と主張して、準優勝しました。同時に、「将来は外国の大学に留学して日本の文化を他国に紹介できるようになろう」と決意したのです。
 志望大学の決め手はオープンキャンパスです。獨協大学を案内してくださった外国語コースの先輩がしっかり目標を見定め、大学に誇りを持って勉強している様子がまぶしく感じられて、ここならばきっと自分のやりたいことが学べると確信したのです。
 また、長期海外留学を考えている私にとって、獨協大学が語学重視のカリキュラムで留学先の選択肢が多いことも大きな魅力でした。



授業に集中すれば
TOEICも高スコアです


 今年から獨協大学の指定校校内推薦の出願条件が英検からTOEICに変更され、英検2級しか取得していなかった私はすごく焦りました。でも、毎日の予習復習を欠かさず、板書のほかに先生のちょっとした話までメモして授業に集中してきたのだから、絶対に実力はついているはず。大丈夫! そう自分に言い聞かせてTOEICを受け、出願ラインを無事にクリアしました。授業をきちんと受けていれば、あとは大学への情熱と「必ず合格する」という強い信念で乗りきれます。それから、部活のI.L.C.(International Language Club)でスペイン語を習い、スペイン語の視点から英語を考えられるようになったことも、文法や表現方法を考える上で視野を広げてくれました。
 後輩の皆さん、私は受験のための特別な勉強は何もしていません。でも、最後まであきらめない根性だけは誰よりもありました。小さなことでもいいから具体的な目標を決め、努力を積み重ねれば夢は叶います。自信を持って難関を突破してください。
 
   

 
 
英進進学コース
得意な理数系を強みに
指定校推薦に
目標を絞りました


東京理科大学 理工学部

に指定校推薦で合格


英進進学コース 3年 高橋 くん
南光台東中出身



環境の整った選抜クラスで
勉強に思いきり専念して


 仙台育英に入学したばかりの4月、特別選抜クラスの仮クラスに入ることができました。ですが、5月のクラス替えで普通のクラスに、ということになってしまって…。少し落ち込みましたが、「ここで頑張ろう」と奮起。まずは毎回の定期テストで良い点数をキープしようと目標を決めました。努力の甲斐あって、成績は伸びていき、2年生に上がると理系の選抜クラスに入ることができました。
 選抜クラスに替わってからまず驚いたのは、みんな、チャイムが鳴ると同時に席につき、静かに授業を受ける態勢に入ること。勉強に対して真面目に取り組み、かといって、ピリピリした雰囲気はなく、みんなでお互いに勉強を教え合うような、まとまりのあるクラスでした。勉強に思いきり専念できる最高の環境だったと思います。
 家での勉強は、ほとんど教科書や副教材を使いました。数学は一番好きな教科です。数式を解くのが好きで、乗ってくると止まらなくなります。夜中に数式を夢中で解いていたら気づくと朝になっていた、なんてことも…。理科は副教材のほか、授業で使ったノートを見直して復習しました。授業をしっかり受けていたので、ノートはとても役立ちました。



大学での講義が、
今から楽しみです


 
将来の夢は、理科の教師になることです。父が教師をしているということもありますが、中学時代の理科の授業が楽しかった、ということも教師を目指そうと思ったきっかけのひとつです。理数系の面白さにひかれはじめたのもその頃でした。
 当然進学する大学も理系と決めていました。そこで最新設備が整っている東京理科大学に興味を持ち、オープンキャンパスに出かけました。そのときに受けた数学の模擬講義が特に印象的でした。難解ではあったのですが興味深い内容で、この大学で勉強したいという思いが芽生えました。東京理科大学からは毎年仙台育英に指定校推薦の依頼が来ています。この制度を利用しない手はない、と2年生の冬から東京理科大学に目標を絞って、さらに勉強に力を入れました。
 仙台育英に指定校推薦という制度があったおかげで、第一志望の大学の合格通知を手にすることができたわけですが、だからといって気は抜けません。大学では私が以前オープンキャンパスで体験したような高度な授業についていかなければならないので、心を引き締めて勉強を続けています。
 
   

 
 
フレックスコース
全国トップを目指す
仲間との交流で
人間的に成長しました


筑波大学 体育専門学群

にスポーツ推薦で合格


フレックスコース 3年 大森 くん
秀光中等教育学校出身



高校で叶わなかった
全国優勝を狙います


 大学で目指すのは、全日本大学対抗卓球選手権大会での優勝です。シングルスでもダブルスでも団体でも、とにかく全国優勝を狙うため、チームに勢いのある筑波大学を志望しました。高校の卓球部に在籍した3年間は、岡山国体も翌年のインターハイも2位に甘んじ、悲願を達成できませんでしたが、筑波大学は高度な体育理論も履修できるので、技術を磨き上げるだけでなく、理論に基づいた科学的トレーニングを学んでレベルを上げたいと思っています。
 私は茨城県出身で、小学生の頃から卓球で全国大会上位の成績をおさめてきました。家を離れて仙台の秀光中等教育学校、そして仙台育英に進学したのは、優秀な選手がひしめく厳しい環境で自分の力を試したかったからです。フレックスコースの授業カリキュラムは、部活の時間が十分に取れる上に、先生方が授業をわかりやすく教えてくださって試験前の指導もていねいなので、成績が下がる心配はありません。それから、寮生活によって自分のことは自分でするたくましさも身につきました。



硬式野球部の団結力に
感銘を受けました


 
卓球部の主将に任命された時、橋津監督から「主将がしっかりしていないと、チームはついてこないぞ」と言われ、初めて「強さ」だけではダメだ、信頼感や統率力が伴わなければ部員を引っ張っていけないと気づきました。後輩は、先輩の姿を見て成長します。自分は主将としてふさわしいのか、後輩の手本になれるだろうか、と悩みました。
 同じ頃、硬式野球部員と話していて、野球部が実行している生活リズムや精神訓などを知り、部全体がひとつにまとまっていることに感銘を受けました。卓球は団体戦でも試合自体は個人競技ですが、野球はすべてがチームワーク。全員で気持ちを高め合う団結力を見習わなければならないと思いました。フレックスコースには、全国トップを目指す強い選手がたくさんいます。他のクラブの選手との交流は大きな励みになり、精神面でも成長しました。大学の面接で緊張せずに堂々と受け答えができたのも、大勢の人間と出会う機会に恵まれたおかげです。
 卓球の楽しさは、相手との駆け引きです。戦型やラケット・ラバーによって戦い方や技術はいくらでも変わる。気を抜くとすぐゲームの流れが傾き、隙を見せれば相手に攻め込まれる難しい競技ですが、練習がどんなにつらくても、卓球をやめたいと思ったことは一度もありません。やっぱり卓球が好きです。筑波大でも人との出会いを大切にしながら、心・技・体、すべて兼ね備えたオールラウンドプレーヤーを目指します。
 
   
   
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