2013 Topics

 第1回サイエンス・コ・ラボ

 
 
 
第1回サイエンス・コ・ラボ

日 時:2013年6月29日(土)13:00〜16:00
場 所:宮城野新校舎“新南冥”化学実験室
テーマ:『バイオ燃料の利点と問題点を考えよう』
参加生徒:秀光4・5年生および
      理系の特別進学コース1・2年生 (希望者)
講 師:東北大学大学院工学研究科 化学工学専攻
     工学博士 北川尚美 准教授
     大学院生等6名


 2012年夏からスタートした、秀光中等教育学校と仙台育英学園高等学校 特別進学コースの理科の共同実験講座『サイエンス・コ・ラボ』が今年も始まりました!東北大学の教授と大学院生の皆さん、そして生徒が集まったのは新しい宮城野校舎“新南冥”の化学実験室。最新の実験設備が整えられており、高水準の実験を展開することができます。
 今年度初の『第1回サイエンス・コ・ラボ』のテーマは、『バイオ燃料の利点と問題点を考えよう』。

昨年度の様子はこちら

 指導のため、東北大学の北川尚美准教授と、6名の大学院生が来校してくださいました。また、受講生徒は理系の秀光4・5年生と、特進の1・2年生の希望者が集まりました。

  遠藤和秀先生からの挨拶

 


 今回の実験は、触媒や油脂など条件の違う5つの瓶でバイオディーゼルを生成し、その反応の違いを観察します。

*バイオディーゼルとは

 油脂にエタノール(アルコール)と触媒を混ぜることでできる燃料。原料の油脂に廃食油を利用できるという点から、非常にクリーンなエネルギーとして注目を集めています。従来から一般的であった、触媒に水酸化ナトリウムを使用した生成方法は、多くの行程を重ねなければいけませんでしたが、東北大学は触媒に"陰イオン交換樹脂”を使用した、特定の条件下での画期的な生成方法を発見し、世界初の特許を取得しています。




▼宮城野新校舎の食堂で使用された油が
 瓶の中で燃料に変わりました


 実験手順を大学院生の皆さんから丁寧に教えていただきながら、生徒たちは油の酸化状態をAV(酸化)チェッカーで調べたり、分子量の計算を行いました。実験後の5つの瓶は様子が大きく異なっており、生徒たちは触媒や油脂の状態によって、生成されるバイオディーゼルの質が違うことを確かめました。実験で使用した廃食油は、仙台育英学園の食堂で使用されたもの。これが触媒とアルコールを加えたことで、バイオディーゼルに生まれ変わりました。

 


▼自分自身ができると思っている限り
 必ず夢は実現します

 最後に北川准教授は、ご自身の今までの研究を振り返って「失敗したデータには宝物がいっぱい詰まっています」、「東北大学の生徒たちも、失敗したデータを捨ててしまうことが多いのですが、失敗した中に成功のヒントがあるので、ぜひ他の人にも見せて欲しい。失敗を見せることができる人間はなかなかいません。それができる人間は、社会の宝物になります」と失敗から得られるものがいかに大きいかということ、そして夢について「できると思っている限りは、必ず夢は実現します。諦めたら終わりです」と、生徒たちの心に強く響くお話をしてださいました。