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 第2回サイエンス・コ・ラボ

 
 
 
第2回サイエンス・コ・ラボ

日 時:2013年7月13日(土)13:00〜16:00
場 所:宮城野新校舎“南冥”化学実験室
テーマ:『霧箱の作製と放射線の観察』
参加生徒:秀光5年生および
      理系の特別進学コース1・2年生 (希望者)
      および特進2年生から高校生サポーター2名
講 師:東北大学高等教育開発推進センター
     関根 勉 教授


 第2回目を迎えたサイエンス・コ・ラボのテーマは『霧箱の作製と放射線の観察』です。宮城野新校舎の化学実験室で、手のひらサイズの霧箱を製作し放射線の観察などを行いました。

昨年度の様子はこちら

 昨年度に引き続き、指導のために来校してくださったのは、東北大学高等教育開発推進センターの関根勉教授です。参加生徒は秀光5年生と特別進学コース1・2年生の理系の希望者。そして昨年度のサイエンス・コ・ラボに参加した、特別進学コース2年生2名が高校生サポーターとして参加。関根先生の講義の実験準備のお手伝いや、講義に初めて参加する生徒たちをサポートしてくれました。


▼飛行機雲と同じ原理で現れる
 自然放射線を観察してみよう!


 関根先生から、まず放射線と霧箱について説明していただき、霧箱の製作がスタートしました。今回の実験のために宮城野新校舎におかれた集塵機(ダストサンプラー)という装置のフィルターが、線源として使用されています。
 霧箱の中で時折、流れ星のように表れる放射線に、生徒は夢中になってLEDライトを照らし、霧箱のα線の飛跡を見つめていました。

霧箱で放射線を観察できる仕組み

 霧箱を底からドライアイスで冷やしてアルコール気体の過飽和状態を作ります。そこでは何らかの刺激で気体アルコールが液化して霧となります。霧箱では放射線(α線)を刺激としてできる霧を観察します。大空で飛行機雲が発生するメカニズムと同じ原理です。




▼線源を入れると不思議な動きが…
 α線とβ線の飛跡の違い


 ここで、関根先生が用意してくださった大きな霧箱が登場し、線源のフィルターをセットしました。しばらくすると、霧箱の中には真っ直ぐ進むα線だけでなく、糸のように細く、ぐにゃりと曲線を描くβ線も出現しました。
 さらに関根先生が「今回はおもしろい線源を持ってきました」と、トリウムを入れると霧箱の中は一気に放射線の飛跡が現れ、わあっと驚きの声が上がりました。このトリウムはランタン(ガソリンランプ)のマントルと呼ばれる部分に含まれることもあります。



▼今日の実験をもう一度考えてみること
 それが学びに繋がります

 100個のサイコロを使ってグラフを作り、その結果から放射性原子の数の減り方が求められるという計算も行いました。最後に関根先生は、放射線について説明し、「天然の放射性物質は自分たちの身体の中、空気中、そして宇宙など…いろいろなところに存在していることを分かっていただけたかと思います」と放射性物質がいかに身近なものであるか話してくださいました。
 講義の終わりに特進2年生の生徒が「初めて霧箱を作って、放射線を見ることができて感動しました」と関根先生への感謝を述べると、関根先生は「今日やったことを、時間をおいて頭の中でもう一回考えてみてくださいね、それをすると脳に焼き付いて、“学び”になります」 と笑顔で締めくくられました。