第3回サイエンス・コ・ラボ 『プリンテッドエレクトロニクス用の導電性ナノインクの合成(1)』

 
実験内容
銅ナノ粒子を自分たちで合成してみよう!

 プリンテッドエレクトロニクス(PE:印刷電子デバイス)は、電子ペーパーや携帯端末、タッチセンサーなどに活用できる技術です。省エネで軽量化など利点が多く、真空や高温で多くのエネルギーを消費してしまう今のデバイスの作り方を変えてくれるのではないかと期待されています。
  今回はそのPEの技術で使用される、銅ナノ粒子が入ったインク(銅ナノインク)を作成します。銅ナノインクを使えばとても細い銅線を印刷することができます。横山先生は「本来銅は1000℃で溶けるため印刷には適さないのですが、ナノインク化することで融点を150℃以下に下げることが可能になります」 と説明してくださいました。

 

 

東北大学でのキャンパスライフのお話も

 横山先生と3名の大学院生の方々から、酸化銅やクエン酸の量のはかり方や、溶液に入れるたびに色や変わる様子をていねいに説明していただきました。生徒たちもその一瞬を見逃さないようにと、熱心に観察します。
 実験の合間には生徒が東北大学でのキャンパスライフの様子を聞いたり、大学受験へ心構えについて質問したり、楽しくも貴重なお話が飛び出します。

 


選んだ溶媒によって、特性の異なるインクが完成

 最後に銅ナノ触媒が完成した水溶液を、特殊なフィルターを通して吸引します。フィルターに残った粒子を真空状態にして乾燥させ、銅ナノインクにするためのインク溶媒を入れます。溶媒は4種類あり、班ごとに異なるものを選びました。「選んだ溶媒によって特性が異なるので、結果は次回のお楽しみです」とのこと。
  次回、この銅ナノインクを東北大学で観察し、完成しているのかを確かめます。


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