第4回サイエンス・コ・ラボ 
『プリンテッドエレクトロニクス用の導電性ナノインクの機器分析(2)』

 
実験内容
質量変化で金属イオン、錯体を「見る」(TOF-MS)

 銅(錯体)を見るためにTOF-MS(飛行時間型質量分析)を使います。計測したいものをイオン化させて、イオンの種類によって同じ距離を飛行する時間が異なるという特徴を生かして銅の質量を分析します。これなら天秤に入れて計るということができないものも、どんな物質なのかを調べることができます。
  TAの方から使用方法を聞いた生徒は内容をしっかりとメモしながら、わからない部分は直接質問に答えていただきました。

 

電子線でナノ粒子を「見る」(SEM)
 

3種類のナノ粒子から自分たちで選び、観察しました

 SEM(走査型電子顕微鏡)は生徒が実際に操作をしながらナノ粒子を見ることができました。用意していただいたフィルターにろ過したもの、フィルム状にしたもの、かたまりになったナノ粒子の3種類から好きなものを選んで観察しました。SEMでは最大100万倍と顕微鏡では見ることができないナノというサイズをみることができ、生徒たちは粒子の表面を興味深そうに見ていました。

X線で結晶を「見る」(XRD)

 XRD(X線回折)で先週作った粒子が、本当に銅ナノ粒子なのかを確かめます。粒子にX線を当て、銅の波長のデータベースと比較することで、同じものかどうかがわかります。

 
抵抗測定
 
班ごとに異なるインク溶媒を使った結果…

 今回の実験では、銅ナノインクを使って抵抗の少ない(低抵抗)な銅の配線をつくることが目標の1つです。前回班ごとにつくったインクを使用した板を“四端子法”を使って、厚さ・抵抗など測定します。3種類の数値を出して比較したところ、抵抗値が異なり「前回班ごとに違うインク溶媒をいれたため、数値が変わってきます」と横山先生が説明してくださいました。

 
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