■2007年、日タイ修好100年記念事業として
2月28日、本校の卒業式で、3年前の春に留学生としてタイからやってきて外国語コースで学んだ女子3人が校長先生から卒業の証書を受け取りました。スパニー・ソートムモンコンさん、チャンヤヌット・システィクンさん、そしてジェンジラー・スッゲーオさん。3年前の2007年、日タイ修好100周年を記念しての事業として本校が初めて受け入れることになったタイからの留学生です。
3人はタイで活動するNGO(ドゥアン・プラティープ財団・シーカーアジア財団)の奨学生です。両財団が支援するおもに貧困家庭の子女の中から成績優秀者として選ばれ、本校へとやってきました。
■日々の授業で日本語にも慣れてきて
入学当初はほとんど日本語が話せなかった3人でしたが、学校の雰囲気に慣れるには、さほど時間はかからなかったようです。
「校内の合唱コンクールがあり、私たちも歌いました。ひらがなで歌詞を教わり、クラスのみんなと一緒に猛練習しました。初めての経験で、しかも優勝しました」とチャンヤヌットさん。彼女にとって、このコンクール出場は感動的な出来事でした。
■サッカー、そして日本の伝統文化にも挑戦
3人はクラブ活動にも積極的に参加しました。書道部や茶道部のほか、スパニーさんとジェンジラーさんはサッカー部にも入部しました。
「練習は厳しくて大変だったけれど、何でも話せる親友ができました」と話すのは、FWとして活躍したスパニーさん。「サッカー部の人たちは心でつながる友達。『ファイトー』と声を掛け合うと、頑張ろうという気持ちになります」(ジェンさん)。
2人の活躍もあり、県内15位だったチームは5位に躍進しました。
■この春から、それぞれの夢に向かって
1年生のとき先生に勧められるままに入った書道部では、思うように書けなくてあきらめそうになったというスパニーさんですが、昨年の秋、「夢」という字を書いて「国際高校生選抜書展」で「外務大臣賞」を受賞。ほかの2人も入賞という好成績を残しました。
「仙台育英にはたくさんの留学生がいるので、いろいろな国の人と友達になれました。そして、『日本人』という私達にとっては外国人の友達もたくさんできました。楽しい思い出ばかり」と口をそろえる3人は、この春から、それぞれの夢に向かって新たな一歩を踏み出します。
スパニー・ソートムモンコンさんとチャンヤヌット・システィクンさん、ジェンジラー・スッゲーオさんの3人はタイの大学への進学をめざします。
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