2011 Topics

*仙台育英軽音楽部宮城野校舎で屋外ライブ

 
 
 

 秋空が高く澄み渡った土曜日の午前10時、新校舎建設に向けて建物の解体が進む宮城野校舎の校庭にエレキギターとベース、ドラムにキーボード、そしてボーカルの軽快なサウンドが響き渡りました。演奏するのは2010年秋に誕生した仙台育英学園高等学校軽音楽同好会のメンバー、『bitlate』『NOAH』『The Crow』の3バンド。メンバーはすべてM-フレックスコースに所属する1、2年生の生徒で、観客もM-フレックスコースの生徒たち。仮設校舎の前に設置されたステージに向かって手を振り、ときにステージ上のメンバーの歌に声を合わせます。

 M-フレックスコースの生徒による軽音楽同好会が出来たばかりの1年前は皆、楽器の演奏もおぼつかない部員ばかりだったとのこと。
 「まったく楽器に触ったこともない、あるいは独学で少し弾けるくらい…あえて、このような生徒たちに声をかけました。練習を積み重ねていくことで、初心者でもやがて人前で演奏できるようになれる、自分を表現できるようになれる…こんな喜びを部員たちに体験してもらいたいと思ったからです」
 部をまとめるM-フレックスコースの三浦宗隆先生は、同好会発足の“理念”をこのように話してくれました。そして、約1年の練習期間を経て、11月12日・土曜日、宮城野校舎の校庭を会場にしての“屋外ライブ”へと至ったのです。

 ステージに立った3つのバンドのメンバーは、三浦先生が編集した新聞(RUBBER 新報)に、バンドでの音楽への思いを次のようにつづっています。

 「元々、仙台育英には軽音楽部はなかったのですが、ボーカルの遠藤くんが“部活をつくろうぜ”と言ったのがはじまりでした。演奏曲については特に決まっているわけではなく、個人で好きな曲を提案して演奏しています」(bitlate)

 「木村カエラや BUMP OF CHICKEN や RADWIMPS などをカバーしていくつもりです。実力はまだまだですが、練習を重ねて少しずつ上達していけたらと思っています」(The Crow)

 「同じクラスのメンバーで結成した初心者バンドです。本番では上手い下手にとらわれず、楽しくみんなで演奏できればと思っています。聴いてくれる観客の皆さんに覚えてもらえるようなバンドになるのも一つの目標です」(NOAH)

 3バンドの演奏への観客の評価はとても良かったようです。
 「500人のM-フレの生徒たち皆が盛り上がっていました。音楽に合わせて手を振る生徒も、手拍子でリズムに合わせる生徒も…。“自分たちのクラスの生徒がステージに立っている!” “あのクラスメートがギターを弾けるなんて知らなかった!” といった驚きもあって、ライブは想像していた以上に盛り上がりました」(三浦先生)

 3月の大震災で元気をなくしかけていた生徒たちも、同じコースの力いっぱいの演奏で元気を取り戻したようでした。なお、この復興支援ライブを開催するにあたっては、三浦先生の以前の職場であるアイリスオーヤマ株式会社の多大な協力があったことを付け加えておきます。この日、11月12日の屋外ライブは、2週間後の11月26日、仙台市内のライブハウスで開催されるアイリスオーヤマ MUSIC CLUB 主催のチャリティライブのためのデモンストレーションライブとして開催されたもの。PA機器やアンプ、マイクなどの機材一式はアイリスオーヤマ株式会社の所有物を無償で貸し出していただきました。軽音楽部の3バンドは、11月26日のステージでも演奏し、観客からあたたかい大きな拍手を受けました。