『宮城野萩だより』Vol.27
 
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2015 STAND 飲酒運転根絶運動

仙台フィル&秀光中等教育学校ジョイントコンサート
〜音楽の力強さに学園の未来を思う〜
 

 2005年5月22日の痛ましい事故から10年。本学園ではこの事故を決して風化させないよう、また、このような事故で尊い命が奪われたり、体や心に傷を負うことのないように、飲酒運転根絶運動に率先して取り組んできました。
 その一環として仙台フィルハーモニー管弦楽団とのジョイントコンサートがゼルコバホールで行われました。事故で犠牲になった先輩たちへの追悼の気持ちをこめて、佐藤賢太郎作曲の「Requiem Pacis」から「Subenite」「In paradisum」をソプラノの鈴木愛美さんをお迎えし、澄んだ美しい歌声と仙台フィルのすばらしい演奏にのせて、パスカル・ヴェロさんの表現力を引き出す華麗な指揮のもと、秀光中等教育学校4・5年生、仙台育英学園高等学校合唱同好会、保護者有志の総勢92名の合唱団がコースや学年を超えて一体となったエネルギーあふれるダイナミックな合唱を響かせました。
 また、本校のオーケストラ部と仙台フィルとの共演曲は連作交響詩「我が祖国」から「ブルダヴァ」でした。
 周辺大国に翻弄されながら常に苦難の歴史をたどってきた東欧諸国。ブルダヴァは作曲者スメタナの祖国である「チェコ」に流れる川です。ブルダヴァ川は長い長い時を、戦いの時も平和な時も、チェコの人々の暮らしを見守りながら雄大に流れてきました。過去も未来も堂々と力強く、これからも流れていくのです。80名のオーケストラは表現力豊かに刻々と変化する水の動きやチェコの森や大地や古城の風景や風の様子までも観客に想像させ、その壮大で迫力ある演奏は私たちを魅了しました。
 この日の演奏が演奏した生徒たちや聴いてくださった全ての人の心に訴えかけ、希望と活力を湧き立たせるものであることを願ってやみません。そして生徒の生き生きとした活動が学園の歴史を創っていくのだと、生徒一人ひとりの活力が犠牲になった御霊に報いることであると大いに勇気をもらったひとときでした。   
(秀光 牛渡 純)

 
 
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