『宮城野萩だより』Vol.27
 
Essay
 
恵まれた教育環境で

秀光中等教育学校 1年 小山 さん
 
 私は、今春、秀光中等教育学校に第二十期生として入学しました。新たな出会いと学びに心を弾ませていた私は、秀光中等教育学校の魅力を、すぐに実感することになりました。それはとても優れた「学習」です。入学して間もなく、我が仙台育英学園の創立者である、加藤利吉先生の生涯を描いたビデオを観ました。利吉先生は、幼いころから、たくさん勉強して戦争のない平和な世界にしたいという夢を抱いていました。私にとって、利吉先生はとても尊敬する偉人であり、この学園で一生懸命努力し、貢献したいと改めて思いました。英語の学習では、「eーラーニング」や「グロ−バルコミュニケーション」で学びを深めています。私は「eーラーニング」で多くの英単語とその意味を、目と耳を使って学ぶことができています。
 そして、英語がとても好きになり、これからの海外研修等で活かせるよう、より高度な英語力を身に付けていきたいと思います。
 もう一つの魅力は、部活動です。私は、オーケストラ部に入部しました。仙台フィルハーモニー管弦楽団とのジョイントコンサートは、迫力があり、会場全体が美しい音色で一体となりました。私は先輩方の姿を見、一生懸命練習し、心を込めた演奏ができるように努力したいと思いました。そして、優しくて素敵な先輩方と一緒に、舞台で演奏できる日をとても楽しみにしています。
 その他にも、秀光中等教育学校には、多くの魅力があります。球技大会で「一致団結」を目標に頑張った良きクラスの仲間たち、私たちに一生懸命指導してくださる先生方、とても優しく接してくださる先輩方は、私の誇りです。
 私たち第二十期生は、一人ひとりの個性を生かし、秀光生として、協力し合い、互いに学びを深めていきたいと思います。
 この恵まれた教育環境に感謝し、私は最後まで諦めず努力し続けます。


 

 
千年後の君へ
〜震災復興プロジェクトに携って〜

英進進学コース 3年 大泉 くん
 

 杜の都仙台と称されるほど美しい木々と町並みが立ち並ぶ、宮城県。二〇一一年三月十一日東日本大震災による津波の被害にあい三二七平方キロメートルもの土地が水に浸かりました。現在でも約ニ〇万人以上の人が避難生活を送っています。
 今回私たちが植樹を行った岩沼市も海岸沿いは、家の土台や堀だけが残っていて、その他には木が二・三本あるだけでした。また、ブロック塀に刻まれた傷跡が震災の被害の甚大さを物語っていました。
 二〇一五年という、復興庁が定めた「集中復興期間」の最終年度に千年希望の丘植樹祭は、今年で第三回を迎え、今までに十万本を超える木々が多くのボランティアの人達の手によって植えられてきました。参加した誰もが、千年後にこの木々が根付き、大きな木々へと成長して、人々の憩いの場所や、命を守る防潮堤へとなってくれることを願いながら植えられたことと思います。
 今回、私は、この文章を書くにあたって植樹後にネットを利用し、自分なりに調べてみました。この植樹祭は、後世の人々へ今回の津波被害の大きさや私たちの想いをつなぐために、「千年希望の丘」を含めたエリアをメモリアルパークとして整備を図るとありました。
 こんなにも意義のある震災復興のプロジェクトに携われたことを大変嬉しく思います。島国である日本は、いつどこから津波がくるかわかりません。そのため、今後このプロジェクトが全国展開して東日本だけではなく、西日本でも行われたらいいと思います。
 また、現在まで我々は、開発という名のもとに、森林伐採や大気汚染などといった環境破壊を行ってきていました。開発によって生まれる近代化は我々にとっては過ごしやすく、とても便利でもありますが、大きな自然の前には人間は余りにも無力であります。
自然の脅威に打ち勝つことのできるのは、近代化ではなく最終的には自然そのものなのだということを未来の人々へ伝えられればと思います。

 千年後の君へ

 千年後、大きな森となったこの地に立って君は何を想うのだろう。どんなことを考えていてもいい。その時、笑顔であったなら…。

 
 
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