2005 TOPICS  第2回 秀光中等教育学校 卒業証書授与式


■第2回 秀光中等教育学校 卒業証書授与式

平成17年2月27日
多賀城校舎 グローリーホール
 

 この日、卒業証書を授与された卒業生の数は60名。秀光中等教育学校の前身である秀光中学校が誕生して以来の4期生となります。会場に出席した卒業生の1人ひとりに卒業証書が校長先生から手渡され、その後、「加藤利吉成績優秀賞」「精皆勤賞」「特別 功労賞」「秀光グランプリ」などの賞の授与と続きました。校長先生からの式辞をここでご紹介しましょう。


■校長先生式辞(抜粋)

 2005年は60年に一度の乙酉(きのとのとり)という年です。仙台育英学園にとっては創立100周年を10月1日に迎える大切な年でもあります。秀光中等教育学校の前身である秀光中学校から数えますと創立10年目です。このたび、秀光4回生が卒業することになりました。4回生のみなさんは、秀光中等教育学校の設立という非常に大切な時期に多大なる学園発展のために力を尽くしてくれました。皆様方に深く感謝したいと思います。
 
 この乙酉という年のちょうどふたまわり前、つまり120年前のことを思い起こして欲しいと思います。120年前の酉年は明治18年、1885年でした。この年は明治政府の中においてヨーロッパ型の近代的な政治体制がとられるようになり、内閣制度が設立したスタート地点です。その内閣制度で初代の内閣総理大臣になられたのは伊藤博文さんです。かつての封建制度の中で一番軽い足軽から総理大臣という日本一の地位 につきました。このことは豊臣秀吉を彷彿させるといわれ日本国民に親しまれています。

 そして ひとまわり前の1945年。第二次世界大戦の終局を迎えた年です。9月9日から10日未明にかけて仙台空襲があり育英中学校の校舎が全焼しました。仙台育英学園は、加藤利吉先生がもう一度やり直そうと一念発起していなければ存在していないのです。

 4回生の皆さんには特別な思い出があります。ユーロスクールでの出来事です。みなさんがヨーロッパ大陸からイギリスへ移動しようとしていたまさにその日9月11日、アメリカにおいて同時多発テロが発生しました。そんな中で、皆さんや保護者の方々は大変な思いをされたことでしょう。ですが私は、皆さんが無事で誰一人欠けることなく帰って来てくれたことを誇りに思っています。

 皆さん方がこれから担っていかなければいけない21世紀において、日本人として地球人として責任を果 たせる大人になってほしい。今日表彰した中で、地球人として活躍をされた卒業生がいます。石川さんと鈴木さん。この二人がイタリア・トリノにおいて発表された大気汚染と車についての研究発表、そして諸外国の学生たちとのインターンシップはとても素晴らしかったと思います。また、私から皆さんに「悠久」をテーマとして与えた京都論文が、その後の4回生の進路に大いに役に立ったことを若松副校長先生から聞き、私は安堵しています。
 
 真理の探究は人類の永遠のテーマです。人類が取り組んでいかなければならない真理の探究というものの態度を持ち続けることが大切です。秀光の6年間は世の中に出ていくための基礎・基本を学ぶところです。そしてこれから4回生が進んでいく場所こそ、その基礎・基本を応用する場所です。そこにおいて4回生のみなさんは真理の探究を応用することに恐れず挑戦していただきたいと思っています。

 最後に「天に星あり、地に花あり、人の心に誠あり」、この言葉を卒業生にプレゼントし、お祝いの言葉にかえさせていただきます。