*クレイグ・キールバーガー氏講演会“Kids Can Change the World”
*生徒からキールバーガー氏へ… Q & A【要約】
   
Q. 「これまでどんなトラブルがありましたか?」
 
 

 

A.
 一番苦労したのは、12歳でFTCを立ち上げようとしたとき、大人たちにまともに取り合ってもらえなかったこと。決まって「将来、大人になってからやりなさい」と言われました。でも、今すぐ世界を変えたくて、同世代の仲間を増やし、団体を大きくしたのです。
   
Q. 「僕は17歳です。あなたが17歳のときは何をしていましたか?」
A.
 実は17歳の誕生日は日本で迎えたんですよ。
 僕が通っていた高校はとてもユニークな学校でした。学校の第1日目に1年分の教材を一度に渡されて、学校に行くのも、レポートの提出も、試験を受けるのも、1年の間の好きなときにやればいい。この学校の自由なシステムのおかげで僕は、高校生でありながら、海外のあちこちでボランティア活動をすることができました。
   
Q. 「尊敬する人は誰ですか?」
A.
 マザー・テレサです。彼女に「どうしたら、あなたのように何十年も希望を失わずに働き続けることができるのですか?」と質問したことがあります。彼女はこう答えられました。「大きなことはできないけれど、ささやかなことを優しい気持ちを持ってすることはできるのよ」と。そう、ささやかなことでもそれが集まれば、大きなうねりになる。だから、皆さんも勇気を持って行動してください。
   
Q. 「活動を通しての喜び、生き甲斐は?」
A.
 ケニアを訪れたときの話です。急に雨が降り出してきて、僕は急いで雨宿りをした。でも、村人たちは大人も子どももみんな大喜びで、雨の中に飛び出していって、踊っている。「雨が降ったのだから、作物が育つ、収穫ができる、家族を食べさせることができる、こんな嬉しいことはない」と彼らは言うのです。皆さんは、雨の中飛び出して踊り出したくなるぐらい、嬉しいことってありますか?自分たちが恵まれていることを忘れてはいけない。だから、恵まれた環境にある自分がもらっているものを、FTCの活動を通して他の誰かと分かち合えることが、僕にとっての一番の幸せです。
   
Q. 「真の“平和”とは何でしょう?」
A.
 インド独立の父といわれるガンジーの「本当の平和を世界にもたらそうと思ったら、まず、子どもから始めなければならない」という言葉があります。世界を平和にすることは、国の文化を越えてつながることによって成り立つものだと思っています。そういう意味では、皆さんがヨーロッパなどを研修して異文化に触れているのはとても素晴らしいことです。皆さんのような若い中高生から始めてほしいと思います。
   
Q. 「世界中の人全員が幸せになることは可能だと思われますか?」
A.
 世界中で必要なものが作られているけれど、それが世界中の人々にまんべんなく行き渡っているかどうかは別問題です。僕は、きれいな飲み水があって、医療があって、住むところがある、というのがまず基本的な人間の幸福にまず必要な条件だと思います。大切なのは実現したいというやる気があるかどうかで、お金の問題ではありません。
   
Q. 「もしも(FTCを立ち上げるきっかけになった)新聞記事を読んでいなければ、何をしていましたか?」
A.
 たぶん、ごく普通の中学生になって、普通の高校に通って、…さて何をしていただろうね?
 新聞には、戦争、貧困、暴力のことが多く載ってますが、これは、困った世界を直すための“To Do リスト”です。世界を何とかしよう、という声に呼ばれている、そんなふうに新聞を読んでみてください。僕が今日、この学校に来たのも“声”です。皆さんもこれをきっかけに問題意識を持って行動してもらえたら、とても嬉しく思います。
   
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