平成17年9月5日午後1:30〜午後5:00
仙台地方裁判所第102法廷
裁判官:裁判長1名 裁判官2名
 
裁判長: これより開廷します。
前回に基づいて審理を進めます。まず、検察官から証拠を提出する事になっていましたが、弁護人それでいいですか 。
   
弁護人: はい。
   
裁判長: それでは、証拠として採用します。
   
検察官: 被告の血液中のアルコール量は0.3mg/リットルという結果 でした。調査結果を提出します。
   
裁判長: この調査結果を証拠甲79号証として採用します。
それでは証人尋問に移ります。証人を入廷させてください。
証人は Aさん Bさん Cさん Dさんの4名です。名前住所等くわしい内容については、調書に記載している通 りですね。 これから事件についていろいろお聞きしますので、宣誓書にしたがって一緒に朗読して宣誓してください。
(4名宣誓書朗読)
   
裁判長: 調書の順番に従って証人尋問しますので順番が来るまで、腰掛けて待っていてください。結構時間がかかりますがお待ちください。
   
裁判長: これから、検察官、弁護人の順で質問します。記録をとりますのではっきりと大きな声で答え、分からない時は「分かりません」とはっきり言ってください。
   
   
証人1
   
検察官: 検察官のKです。こちらでは横から質問しますが、答える時は正面 の裁判長のほうをみてはっきり答えてください。もし聞き取れなかったら聞きなおしてください。
   
検察官: Aさんは平成11年4月からIタクシーの運転手として勤務している事は間違いありませんね。
   
証 人: はい。
   
検察官: あなたは、平成17年5月22日の午前4時前、宮城野区の国道45号線で、普通 の運転ではない赤いサファリを目撃し、警察に連絡しようとは思いませんでしたか。
   
証 人: はい。
   
検察官: 確認しますが、あなたの視力はどのぐらいですか。
   
証 人: 0.8です。
   
検察官: めがねをかけないでですか。
   
証 人: はい。
   
検察官: Aさんが赤いサファリを見たのはどこからですか。
   
証 人: 駅から日の出町の営業所に帰る途中の路上です。
   
検察官: 仙台駅から宮城野区日の出町3丁目で間違いありませんね。
   
証 人: はい。
   
検察官: 平成17年5月22日午前4:00前、仙台駅を出てからの道順を話してください。
   
証 人: 駅から花京院の交差点を右に曲がって、小田原山本町、右に曲がると鉄砲町に出るところをまっすぐいって、一回曲がって・・・・・。
   
検察官: 45号線をもとに帰ったのですね。
   
証 人: はい。
   
検察官: Aさん、あなたの5月22日の勤務時間はどうなっていましたか。
   
証 人: 夕方の5:00から朝の5:00までです。
   
検察官: 5月21日の夕方5:00から翌日5月22日の朝5:00までですね。
   
証 人: はい。
   
検察官: Aさんが赤いサファリを初めて目にしたのはいつですか。
   
証 人: 花京院の交差点に入ろうとした時に、向こうからやってきたのを見ました。
   
検察官: 45号線に入って赤いサファリを見た時は周りの明るさはどうでしたか。
   
証 人: 薄明かりでした。ライトはつけていましたが、周りが見えないほどではなかったと思います。十分見えたと思います
   
検察官: 45号線に入ってから赤いサファリはどの車線を走っていましたか。2車線ありますが。
   
証 人: 私は進行方向の歩道側を通っていたのですが、赤いサファリは右横(追越車線)を走行していました。
   
検察官: Aさんは進行方向左の車線を通 っていたと言いましたが、左の車線を通っていた理由は何ですか。
   
証 人: お客さんが歩道にいる事が多いので、すぐ停車できるように歩道側を走行していました。
   
検察官: 走行経路を地図に赤で示してほしいのですが、裁判長、走行経路や止まっていた場所を住宅地図に示してよいでしょうか。
   
裁判長: 弁護人はよろしいですか。
   
弁護人: はい。
   
検察官: まず、45号線に入ってからの経路を赤で引いて、最初に止まった交差点には○を記入、小田原山本町の交差点、右に曲がると鉄砲町に出るところを(ア)と記入してください。その後、45号線を通 った経路を赤で引いてください。
   
検察官: 最初に停車した時、赤いサファリは同じ交差点で止まっていましたか。
   
証 人: はい。
   
検察官: 赤いサファリは前から何台目でしたか。
   
証 人: 1番目でした。
   
証 人: 私は左の2番目。前の車はタクシーだったと思います。
   
検察官: なぜそう思いましたか。
   
証 人: 屋根にタクシー表示ランプがついていたからです。
   
検察官: その交差点で青になってから、赤いサファリも発進しましたか。
   
証 人: はい、しました。
   
検察官: 次に信号によって止まったのはどこか、住宅地図にしるしをつけてください。
そこを○で囲んでください。そして、そこまでの経路を赤線で書いてください。一つ手前の小田原2丁目と書いた交差点と間違えてはいないですか。
   
証 人: ここだと思います。
   
検察官: そこだとする根拠は何ですか。周りの建物とか。前にお聞きした時には安田病院前の交差点とおっしゃっていたと思うのですが。
   
証 人: ああそうでした。――――多分ここでした。(一つ手前の交差点に○を移す)
   
弁護人: 今記入したものを見せてください。
   
裁判長: 検察官はよろしいですか。
   
検察官: いいです。
――弁護人と証人とのやり取りのあと証人は最初のポイントに○を移す。―――
   
検察官: ((イ)にいくまで)信号機はいくつかありましたか。
   
証 人: いくつかありました。
   
検察官: その中で止まった交差点はありましたか。
   
証 人: ありませんでした。
   
検察官: 道路の状況はどうでしたか。直線が多いとか、カーブが多いとか。
   
証 人: 直線が多かったです。この交差点手前まで直線でした。
   
検察官: 何キロぐらいで走行していましたか。
   
証 人: 時速60キロぐらいだと思います。
   
検察官: Aさんの斜め右前に赤いサファリが走っていたと言っておりましたが、目に入っていたのですか。
   
証 人: はい。
   
検察官: その時の赤いサファリの走行状態を話してください。
   
証 人: 速くなったり、遅くなったりしながら走っていました。
   
検察官: どのようにしてその事を判断しましたか。
   
証 人: 自分に対して近づいたり、遠くなったりしたからです。
   
検察官: 速くなったりした時の距離が遠くなった事で分かったと言いますが、大体でかまわないのですが、どのぐらい速度が出ていたと思いますか。
   
証 人: そうですね、私よりは出ていたと思います。
   
検察官: 逆に、遅くなった時は距離が縮まったと言いますが、その時どんな対応をしましたか。
   
証 人: アクセルを離して減速しました。
   
検察官: その時は何キロぐらいだったですか。
   
証 人: メーターを見ていないので分かりません。
   
検察官: あなたの車はオートマですか、マニュアルですか。
   
証 人: マニュアルです。
   
検察官: それではアクセルを離してブレーキを踏んだのですか。
   
証 人: いや、ブレーキは踏んでいなかったと思います。
   
検察官: それでは、速くなったり遅くなったりしたのは、(イ)の交差点までで何回ぐらいありましたか。
   
証 人: 2〜3回ぐらい繰り返しました。
   
検察官: Aさんが走行している時、道路前方に何かものが置いてあったとか、飛び出しがあったとかありましたか。
   
証 人: いえ、そのような事はありませんでした。
   
検察官: 信号機が黄色だったり、赤になりかかっているところはありませんでしたか。
   
証 人: 全部青でした。
   
検察官: 2〜3回程度の加速、減速の繰り返しがあったと言いますが、それをご覧になってAさんはどのように感じられましたか。
   
証 人: 酒飲み運転ではないかと思いました。
   
検察官: そう思われた根拠は何ですか。
   
証 人: あの・・・・だいたい、職業がら飲んでいると分かるんですね。
   
検察官: (イ)で停車している時、車はどういう位 置関係でしたか。
   
証 人: 一番左の前で、赤いサファリは隣でした。
   
検察官: 一番前の隣に停車していた赤いサファリの様子を確認できましたか。
   
証 人: チラッとは見えたが、長くは見なかったです。
   
検察官: 理由は何ですか。
   
証 人: あまりかかわりたくなかったからです。信号機のところで何かあったらと思い。
   
検察官: 運転席の様子はどうでしたか。
   
証 人: あまり覚えていません。
   
検察官: 最初から分からなかったのですか。
   
証 人: 見えなかったと思います。
   
検察官: 赤いサファリは運転席が高く、確認できなかったという事ですか。
   
証 人: そうです。
   
検察官: その交差点で信号が青になってから、赤いサファリはどんな様子でしたか。

証 人: 止まったままでした。

検察官: 走ってからどの時点でその事が確認されましたか。

証 人: ルームミラーで繰り返し確認できました。

検察官: その後、Aさんが走行した経路について描いてみてください。

証 人: 45号線に沿って進んでいきました。

検察官: そのまま進行していって、その後赤いサファリは視界に入りましたか。

証 人: 視界にはなかったです。

検察官: 赤いサファリにその後追い抜かれましたか。

証 人: 追い抜かれませんでした。

検察官: あなたが事故を知ったのはいつごろですか。

証 人: 5:10ごろです。日の出町の営業所に戻ってから、死亡事故があったので
     気をつけてくださいとの無線連絡がありました。

検察官: この事故があったとはっきり分かったのはそれ以降でしたか。

証 人: そのあと自宅に帰って、22日の夕方のテレビニュースで事故現場の様子
     などを知りました。

検察官: 報道の中で赤いサファリをみてどんな感じをもたれましたか。

証 人: ああ、今朝の車だったのかと思いました。

検察官: その事を警察に話しましたか。

証 人: はい。

検察官: それはいつか覚えていますか。

証 人: 次の日の朝話しました。

検察官: 23日の朝ですか。

証 人: そうです。

検察官: 警察にはいま話した内容を話したのですね。

証 人: そうです。

検察官: この時多数の方が亡くなったり、怪我されたりした事を最後の確認といたします。

裁判長: 弁護人は反対尋問をしてください。

<反対尋問>

弁護人: 住宅地図で、経路を赤い線で引っ張ったもっと手前に赤いサファリを見た地点が
     あるという事ですか。赤い線は何を示すものなのか、様子をもう少し知りたいです。
     住宅地図には赤いサファリを最初に見た地点はありませんね。 一番最初に赤い
     サファリを見たところを住宅地図に示す事は出来ますか。

証 人: 出来ます。

弁護人: それはどこですか。

証 人: ここです。あの地点で、初めてみました。

弁護人: 私の質問は一番先に見た状態を話す事が出来ますか。
     出来ないとすれば・・・。

裁判長: もう少し端的に教えてください。

弁護人: 赤いサファリは45号線に入った時点でどういう状態でしたか。
     右から入ってきたのか、45号線で並走していて見たのか、
     もっと手前から見たのか。

証 人: はい、手前です。

弁護人: 赤いサファリをはじめて見たのはどの時点ですか。

証 人: 花京院の信号のところです。駅の方から来ましたからダイワビルの辺りだった
     と思います。駅から花京院の信号を通過し、次に赤の信号で引っかからず、
     赤いサファリも同様に並走して45号線に入りました。

弁護人: (イ)の位置でいいのですか。

証 人: ここで間違いはないと思います。

弁護人: とすれば、この間違いとするものを消して改めて描いてください。

弁護人: 赤いサファリはスピードを上げたり、下げたりを繰り返していたと言いましたが、
     あなた自身は一定の速度で第1車線を走っていた。客を拾う事も目的だから、
     あまり客はいなかったかもしれないが気をつけながら走っていたのですね。

証 人: そうです。

弁護人: 気をつけながらですね。

証 人: そうです。

弁護人: あなたは赤いサファリがスピードを変化させながら走行したと言いましたね。
     自分の車と、赤いサファリがスピードを落とした時、スピードを上げたり
     した時、どのような間隔になったかはっきり分かりますか。
     それともそこまでは分かりませんか。

証 人: ええ、はっきりとは分かりません。

弁護人: (イ)′で赤いサファリが信号が青になってから走ったのをルームミラーで
     確認しましたね。信号で止まり、その後走った時からルームミラーで何回
     確認しましたか。また、どこで最後に確認したか住宅地図で確認できますか。

証 人: 停車中の赤いサファリを確認しました。

弁護人: 何回確認しましたか。

証 人: 何回も確認しました。毎日しょっちゅうやっていますから。

弁護人: 一番最後に確認したのは、あなたが最後に確認したのはどのへんか
     住宅地図で確認できますか。

証 人: 分からないです。

弁護人: 赤いサファリの走行がスピードを上げたり下げたりしたと話されましたが、
     それ以外の特徴的な蛇行とはありましたか。

証 人: 記憶にありません。

弁護人: その走行中に信号が青の時、赤いサファリが止まっていた事はありましたか。

証 人: ありませんでした。

弁護人: 安田病院そばの交差点で、並んでチラッと見て2秒ぐらいとありましたが、
     どうでしょう、あなたも走っているのですから一瞬チラッと視線を上げた
     だけだったのではありませんか。

証 人: そうです。

弁護人: 赤いサファリの運転台は高く良くは見えないと思いますが、右隣の車では
     あなたの運転席のほうからは助手席そして運転席となります。
     助手席は見えるが、運転席の方がどうなっているかを見たというのは
     ほんの一瞬だったのではありませんか。

証 人: そうです。

弁護人: 終わります。

検察官: 安田病院そばの交差点(イ)が(イ)′になった事についてですが、
     以前6月6日に検察側の調べにどう答えたか記憶にありますか。
     地図に書き込んだ記憶ですが。(イ)に印をつけた記憶はありますか。

証 人: はい。

検察官: 6月6日はかなり前の記憶にしたがって答えていただきたいのですが、
     あの時は(イ)につけたのですが、それにくらべて今の記憶はどうですか。
     6月6日の時点で記した事は間違いありませんか。

証 人: はい。

検察官: 今の記憶ではどうですか。

証 人: (しばらく答えなし)申し訳ありません。どっちかなのですが、
     はっきり申し上げられません。

裁判長: 最初に示した地点が最終的には(イ)′という事になったんですね。
     本人の記憶が(イ)′に戻った、検察側の捜査によれば(イ)だったが
     (イ)′に変わったという事になります。

裁判長: 先ほど車線が2車線で脇を走行していて赤いサファリが加速減速を
     繰り返していた時、あなたはこの車に走行を合せる必要はあったのですか。
      飲んでいるのではないかと仕事柄判断したという事で・・・・・。

証 人: 相手が飲んでいるのなら追い越さないほうが良いと思いました。
 
 
証人2
 
裁判長: これから、検察官、弁護人の順で質問します。記録をとりますのではっきりと
     大きな声で答え、分からない時は「分かりません」とはっきり言ってください。

検察官: あなたは平成17年5月22日3:50ごろ国道45号線の安田病院の交差点で運転手が
     寝ている車を追い越したとのお話をされましたが、その事について伺います。
     何故、当時その時間にあなたの車はそこを走行していたのですか。

証 人: その日妻と2人で朝早く3:00ごろどこかに行こうという事になり車で出ました。
     特にどこへという予定もなかったのですが、宮城野原から海のほうにでもと
     向かいました。

検察官: 奥さんとですか。

証 人: そうです。

検察官: 何時ごろ起きましたか。

証 人: 3:00過ぎに起きました。

検察官: 時計を見ましたか。

証 人: ええ、見ました。

検察官: 3:00過ぎに起きて、家を出たのは何時ごろですか。

証 人: 3:40〜45ごろです。

検察官: 自宅から45号線に出た経路を話してください。

証 人: 小田原の大行院丁の交差点から45号線に出て、東に向かいました.。

裁判長: 住宅地図で説明してください。

検察官: はい、分かりました。
     自宅を出てから、45号線に出るまでの経路について描いていただけますか。

証 人: 小田原の大行院丁というところから45号線に出ました。

検察官: 自宅を出てから、45号線はかなり近いという事ですね。
     Bさんの車の車種は何ですか

証 人: ホンダオディッセィーです

検察官: あなたが45号線に出てから、どの車線を走行していきましたか。

証 人: 追い越し車線、2車線目を走行していきました。

検察官: 走行するのに、ライトはつけていましたか。

証 人: はい、つけていました。

検察官: その時の明るさはどんなものでしたか。

証 人: 薄明かりの状態でしたがライトをつけなくとも走行できる状況でした。

検察官: ライトをつけなくとも前方は見えましたか。

証 人: 見えました。

検察官: あなたの視力はどのぐらいですか。

証 人: めがねをかけない状態で0.7ぐらいですが、当日はめがねをかけていたので
     1.0ぐらいはあると思います。

検察官: 自宅を出て、45号線を東に進んで、最初に信号で止まったのはどこですか。

証 人: 安田病院のそば、ここです。

検察官: ここにいたる経路は45号線を東に進んできて、
     ここに差し掛かった時信号は何色だったですか。

証 人: 着いた時は赤でしたが、すぐ青になりました。
     はっきりは確認していませんが、前方にサファリがいて、
     タクシーが真後ろから左にいったので多分止まっていたと思います。

検察官: 止まっていたという事ですね。
     サファリを見た、あるいは気づいたのはどうしてですか。

証 人: サファリが追い越し車線におり、タクシーが後ろにいまして信号が赤から
     青に替わる時、こういうかたちで2車線目から1車線目に行った時
     気づきました。

検察官: 証人がサファリを追い越した時、信号は青だったと思いますが、
     実際は何mぐらい前からご覧になれましたか。

証 人: 20m〜30mだと思います。

検察官: タクシーが追い越し、サファリが止まったままでいる。
     その時、どう感じましたか。

証 人: 何をやっているのかなと感じました。

検察官: 奥さんはどうおっしゃっていましたか。

証 人: 何やっているのかしらという感じでした。

検察官: 交差点にはどのように近づきましたか。

証 人: 徐行でぎりぎりの速度で近づきました。

検察官: サファリが2車線目にあって、2車線目を走行してそこに近づいた時、
     どのぐらいの速度でしたか。

証 人: 時速40キロぐらいだったと思います。タクシーが左にいったので、
     私の車もブレーキを踏み、徐行して左に行きました。

検察官: サファリのどのぐらい前で徐行しましたか。

証 人: 5〜10m手前だと思います。

検察官: 前方の信号は青でしたが、サファリのブレーキランプはついていましたか。

証 人: ついていなかったと思います。

検察官: その止っている車がどんな車だったか覚えていますか。

証 人: うーん。4駆のでかい車だったと思いました。

検察官: 色は。覚えていますか。

証 人: 上の色は分からないですが、下の色はグレーでした。

検察官: 写真を見れば分かりますか。ごらんになった車はこういう車ですか。

検察官: Bさんは前の調べでは、第1車線目で追い越す時、サファリを見たと
     おっしゃっています。その時、車内は見えましたか。
     見えたかどうかで答えてください。

証 人: 顔が見えたという事はないですが、様子は分かりました。

検察官: サファリは車高が高くて見えにくくなかったですか。
     Bさんの車高はどうですか。

証 人: 比較的高いと思います。

検察官: 背伸びするとかはしましたか。

証 人: いいえ。

検察官: あたりは暗くて見えないという事はありましたか。

証 人: いいえ。

検察官: サファリの中には、どこに人が乗っていましたか。

証 人: 運転席と助手席です。

検察官: Bさんから見て覚えている事を答えてください。

証 人: 顔などはよく分かりませんでしたが、様子は良く分かりました。
     こういう形で両手を頭の後ろで組んで首をシートにもたれかけていました。

検察官: 目を落としているかどうかは分かりましたか。

証 人: いえ、分かりませんでした。

検察官: 目が合った記憶はありますか。

証 人: いえ、ありません。

検察官: 年恰好は分かりましたか。
 
証 人: いえ、分かりませんでした。

検察官: 前に若い男という証言がありましたが、それはどういう根拠ですか。

証 人: 車に乗っているイメージで申しました。
     4駆の車は年配ではあまりなく、比較的若い男に多いという一般的イメージです。

検察官: 6月6日もイメージで答えたのですか。

証 人: そうです。
     ただ、当日の車の様子特徴は自信をもっていえます。
     運転手は両手を頭の後ろで押さえ、シートに首をもたれかけて、
     助手席の人は体を運転席の方に首を傾け、背中しか見えませんでした。
     着ているものは若草色というか鶯色。顔などは分かりませんでしたが。

検察官: 運転手、助手席の人についてどのように感じましたか。

証 人: 単純に寝ていると思いました。

検察官: 奥さんはどう言っていましたか。

証 人: 2人で寝てんのかなという感じです。

検察官: サファリの車内をどれぐらい見ていましたか。

証 人: 追い越す時だけだったので、おそらく1〜2秒だったと思います。

検察官: 追い越す間、ずっと見ていたのですか。

証 人: そんな感じでした。

検察官: サファリ以外に目をどこかにやりましたか。

証 人: いいえ。

検察官: 追い越す時はどんな走行でしたか。

証 人: ゆっくりでした。

検察官: 間違いありませんか。

証 人: 間違いありません。

検察官: 45号線に沿って走行しサファリをその後どう確認しましたか。

証 人: ルームミラーで確認しました。そうですね、追い越してすぐぐらいです。

検察官: 住宅地図に示せますか。

証 人: ええ。

検察官: 確認した時の様子はどうでしたか。

証 人: サファリは止まっていました。

検察官: 証人は事故について警察に報告をしたのはいつですか。

証 人: 2日後の5月24日でした。

検察官: 被告人佐藤光との面識はありますか。

証 人: いいえ。

検察官: 被害者の誰かとの面識はありますか。

証 人: いいえ。

<反対尋問>

弁護人: 聞き漏らしたのかもしれませんが、安田病院前で止まっている
     赤いサファリの後ろで、タクシーが車線変更した時、
     あなたの車の位置は何m後ろぐらいでしたか。

証 人: そうですね、離れていてもおそらく20mかそこらです。
     時間が時間でしたので見える範囲が限られているので
     20mか15mくらいだと思います。

弁護人: 走行しながら見ていた時の信号が赤から青に替わった時、
     赤いサファリが止まっていると判断したのは何故ですか。

証 人: 前に止まっていたタクシーが車線変更したのが見えました。
     おそらく赤から青に替わっても動かないので止まっていると思いました。

弁護人: それは自分で確認したのではなく、なんだろうという事での
     判断だったのですか。

証 人: ええ、そうです。

弁護人: あなたも信号は見ていたのですね。どうなんですか。

証 人: よく覚えていません。しかし、30m手前ぐらいで、タクシーがそんな
     行動をとったので赤いサファリが止まっているのだと判断しました。

弁護人: タクシーの車線変更を見てですね。

証 人: 自分も同じにしようと思いました。タクシーが左によけた時に
     何やっているんだろうと思い、私もそうしたわけです。

弁護人: 徐行したのは何故ですか。

証 人: 時速5キロ〜10キロの徐行をする必要がありました。それは(サファリの)
     様子を見るためもありましたし、前に止まっている車があれば誰でも
     時速40キロや50キロは出さないと思います。

弁護人: 時速5キロ〜10キロに落とした、その理由を聞かせていただきたい。

証 人: サファリの様子を見るためでした。

弁護人: あなたは追い越す時、赤いサファリを見ましたね。
     その段階で若い男だと思ったのですね。

証 人: 若いというイメージで話しました。

弁護人: イメージですね。先ほどの検察側の尋問に対し、若い男というイメージで
     答えたそれを確認しています。実は若い男を見たわけではない。
     そういう事ですね。現実には年恰好も分からなかったという事ですね。

証 人: ええ。

弁護人: 追い越す時に見た時間が1秒〜2秒と言っていましたね。

証 人: ええ。

弁護人: 運転している時の1〜2秒は結構長いと思うのですが、
     追い越す時だから一瞬右側を見たのかなと思うのですがいかがですか。

証 人: そうです。

弁護人: その前に赤いサファリのブレーキランプがついていないと言いましたが、
     確認はしたのですか。

証 人: はい、見ました。それを供述しました。

弁護人: あなたの車はオートマですかマニュアルですか。

証 人: オートマです。

弁護人: あなたの車はオートマだと言いますが一般に・・・・。

裁判長: その質問は審理とは直接関係ありません。

弁護人: あなたは赤いサファリを考えた事がありますか。
     ブレーキランプがついていない事は・・・・。

裁判長: サファリがオートマかマニュアルかについての質問を却下します。
     次の質問をしてください。

弁護人: 先ほどあなたは、追い越してからルームミラーでサファリを確認したと
     言いましたが、その地点以降では確認していないのですか。

証 人: 見たのはほんの何秒かです。

弁護人: 地点を確認しているのですが、その地点以降は見ていないという事ですか。

証 人: そうです。

裁判官: 証人は赤いサファリを追い抜いてから、検察官尋問では20〜30m、
     弁護人尋問では10〜20mと言っています。どちらですか。

証 人: 20〜30mだと思います。

裁判官: 赤いサファリの車内を見る時、助手席もあり、
     見えにくいという事はなかったですか。

証 人: 助手席の人はかなり首がうなだれていたので見えました。
 
 
証人3
 
裁判長: 次の証人をお願いします。

裁判長: これから、検察官、弁護人の順で質問します。記録をとりますので
     はっきりと大きな声で答え、分からない時は「分かりません」と
     はっきり言ってください。

検察官: 証人は被告人の危険運転を調査する際、何の役割をしているのですか。

証 人: 事故実況検分検務官です。

裁判長: 調書はありますか。

検察官: ありました。

裁判長: 検分調書には署名はされていますか。

検察官: 間違いありません。

裁判長: 何番ですか。調書に添付されていますか。

検察官: 本日提出する予定です。

検察官: この調書を作成するにあたって、実況検分は何名で行ないましたか。

証 人: 私とほかに2名、X、Yの3名でした。

検察官: この3名でどのような役割でしたか。

証 人: 実況見分は運転手についてはX、歩行者についてはY、総括まとめが私でした。

検察官: Dさんが記載したのですね。Dさんの心理状況はいかがでしたか。

証 人: 明確に記載できました。迷う事なく説明を聞き、作成できました。

<反対尋問>

弁護人: 今日見ていないのでなんともいえません。

検察官: (弁護人のところに調書を持っていく)

弁護人: Dさんの指示により、図面の上で特定した地点等は実況検分で実際に
     測るなどして記入したものですね。
     この地点から何mなどとするものはしっかりしたものですか。

証 人: そうです。迷う事なく記入作成してあります。

弁護人: 全てについてですか。

証 人: 迷う事なく行ないました。

裁判長: ではこれで本証人への尋問を終了します。
     なお、3:25まで休廷とします
 
 
証人4
 
裁判長: 検察官から尋問をはじめてください。

検察官: 検察官のLです。証人は平成17年5月22日宮城野区から多賀城市まで
     45号線を走行中ニッサンサファリの運行状況を目撃しましたね。

証 人: はい。目撃しました。

検察官: 証人はタクシーの運転をしており、5月22日4時ごろ国道45号線を多賀城市の
     営業所に向け走行中、サファリを目撃しました。 場所はどの辺ですか。

証 人: 私はX橋を渡って鉄砲町から弓の町を通って国道45号線に出る安田病院付近の
     交差点で目撃しました。

検察官: 先ほどの見取り図に記入できますか。

証 人: できます。

検察官: 最初はどの付近ですか。

証 人: 小田原2丁目の付近です。

検察官: 証人は図に示せますか。

証 人: はい。

検察官: 小田原二と書いているところですね。
     サファリの位置を赤で示してください。
     証人が目撃した位置を(a)で囲って下さい。

検察官: 今のところで間違いありませんか。

証 人: はい。

検察官: その目撃した車は、サファリと似たような車ではなかったですか。

証 人: サファリはわかります。
     大きさや形から大型のRV乗用車とすぐわかりました。

検察官: 外見上の色や形からですか。

証 人: サファリは少ないし、上が赤、下がグレーで一目でRV車とわかりました。

検察官: 写真で確認できますか。

証 人: できます。

検察官: 証拠の写真を見てもらいます。記憶はありますか。

証 人: 一目でわかりました。

検察官: 図面で(1)と(a)、サファリとの位置関係はわかりますか。

証 人: 私は左第1レーン。

検察官: サファリはどこですか。

証 人: 第2レーンです。

検察官: 付け加える事はありませんか。

証 人: 特にありません。

検察官: サファリを発見したのは赤で示してありますが、他にも何台か車はありましたか。

証 人: ありました。

検察官: 最終的にはどの辺まで行ってサファリと離れましたか。

証 人: 斜め後を並走して福田大橋を渡る手前でです。

検察官: それまで危険を感じた事はありますか。

証 人: 何度かありました。

検察官: どういう危険な事ですか。

証 人: ウインカーを出さずに2つの車線を行ったり、赤信号を無視したりしました。

検察官: 図面を見ながら行ないます。

検察官: 発見してから危険を感じたところは、今指を指されたところは五輪付近ですね。
     この2枚目のところでどういう事があったか話してください。

証 人: この付近では2つの車線をウインカーを出さずに割り込んだり、
     もどったりを2〜3回繰り返していました。

検察官: 危険だと思った最初のところを赤でそれを見ていた時のあなたの位置を
     黒で記入してください。

検察官: この区間(図面の)だけだったのでしょうか。最終的に終わった点を赤で
     その時の証人の位置を○で記入してください。
     この間、何回ぐらい危険と思われる状況がありましたか。

証 人: 何回ぐらいかはっきり記憶はないのですが、
     (1)だけで2〜3回はあった思います。

検察官: そのような運転を見てどのように感じましたか。

証 人: 進路変更指示も出さずに走ったり、自分にも危険が及ぶのではないかと感じました。

検察官: 証人は後ろからついて行ったと言いましたが、その訳はどうしてですか。

証 人: その日の営業も終わったし、急ぐ事もないのでゆっくり走っていました。

検察官: その運転の確認をするとか、大体の位置関係を目測するとかしましたか。

証 人: それはしませんでした。

検察官: ゆっくりした速度と言いましたが、具体的にはどのぐらいの速度でしたか。

証 人: スピードメーターを見たわけではないのではっきりとはいえませんが
     時速50キロか60キロぐらいでした。

検察官: サファリとの間隔からみて同じぐらいの速度でしたか。

証 人: そうだと思います。

検察官: 次に危険を感じたのはどこですか。
     2枚目はどうですか。

証 人: ありません。

検察官: 3枚目はどうですか。

証 人: ありません。

検察官: 4枚目ではどうですか。

証 人: 原町駅前でありました。

検察官: それはどんな事ですか。

証 人: 信号が赤なのにそのまま進みました。

検察官: 信号を無視した場所、サファリが通過したところを(4)と記入してください。

検察官: 証人が赤に気付いたのはいつですか。

証 人: 確認した時は赤になっていました。

検察官: その時、証人は止れる距離にありましたか。

証 人: 十分止れる距離にありました。

検察官: サファリは止れる距離にありましたか。

証 人: 原町駅交差点で止れるにもかかわらず通過しました。

検察官: 証人は赤で止ったのですか。

証 人: はい、止りました。

検察官: その時、証人はどう感じましたか。

証 人: 突然ですから、ブレーキも踏まずに非常に危険だと思いました。
     何のためにそんな事をしたのか危険な運転をしていると思いました。

検察官: ブレーキをかけないとどうしてわかりましたか。

証 人: ブレーキランプが点滅していなかったから踏んでいないと思いました。

検察官: この付近の交通事情は普通どんなものですか。

証 人: 夜は国分町帰りの車は多いし、昼は左側に日銀の支店
      (七十七銀行の支店と思われる)があるので交通量は多く、
     特別見通しが利くわけでもないので、危険な交差点と思っています。

検察官: その他には何かありませんか。

証 人: 坂下交差点ですね。

検察官: 原町駅交差点の次の交差点ですね。
     ここでは止りましたか。

証 人: 止りましたが青ですぐ発進はしませんでした。

検察官: どの地点でそうだったのかサファリが止っていた地点を赤で示してください。

検察官: 坂下交差点では原町駅交差点と同じく赤から青に替わったのですか。

証 人: 原町駅交差点と坂下交差点は常に連動して替わっていました。
     その連動がはっきりしたものかどうかはわかりませんが、
     いつも同じに働いていました。

検察官: 青信号になってからどれぐらい経ってサファリは発進しましたか。

証 人: 5〜6秒だと思います。

検察官: その間、サファリは止っていていたのですね。

証 人: はい。

検察官: サファリの後には何台かいましたか。

証 人: はい、何台かそのまま止っていました。

検察官: クラクションとか鳴らしたりしませんでしたか。

証 人: それはありませんでした。

検察官: 4枚目は?・・・・・5枚目6枚目7枚目―――危険なし
     8枚目は?

証 人: 赤信号を無視しました。

検察官: ミヤギスバルkkのところですね。

証 人: ここで信号を無視しました。

検察官: 無視したところを赤で囲んでください。

検察官: 証人はここでも赤信号を確認しましたか。

証 人: 通過を確認した時は赤でした。

検察官: 証人が赤を確認した時、サファリは止れる距離にありましたか。

証 人: あったと思います。停止線から十分距離があったと思います。

検察官: 証人はその赤で止りましたか。

証 人: 止りました。

検察官: その信号無視を見てどう感じましたか。

証 人: 1度信号無視を見ているので、ああまた危険な信号無視をしたなと思いました。

検察官: 注意するとか、警察に通報するとか考えましたか。

証 人: 前に暴走族について通報した事があるので、通報しようかどうか迷ったのですが、
     大きな蛇行もしなかったのでしませんでした。

検察官: ほかに危険な運転はなかったですか。

証 人: ありませんでした。

検察官: 10枚目 扇町1丁目交差点はどうですか。

証 人: 赤信号を無視しました。

検察官: 証人が赤と気付いたところを(g)で、その時のサファリがいた位置を
     赤で(7)で記入してください。

検察官: その時、証人自身は止りましたか。

証 人: はい。止りました。

検察官: サファリにとって止れる距離ですか。

証 人: 十分止れる距離であったと思います。
     サファリにとって問題なく止れる距離でした。

検察官: この交差点について、見通しとかの問題はありましたか。

証 人: 左にセブンイレブンの駐車場があり、右は多少見えにくいと思います。

検察官: このコンビニは地図にはないが。

証 人: 以前いすゞ自動車があったところで今はコンビニになっています。

検察官: 赤信号を無視したのを見て、証人はどう感じましたか。

証 人: これで3度目ですし、ブレーキランプもつかないし、
     ブレーキもかけずに通過したので、酒に酔っているか居眠りしているか、
     とても危険だと思いました。

検察官: 11枚目(なし)
     12枚目ではどうですか。

証 人: 扇町6の交差点でサファリは赤で止って、青になってもすぐ発進しませんでした。

検察官: サファリが止っているところを赤で囲み、証人がそれを確認したところを
     (h)と書き込んでください。

検察官: サファリは青信号になってからどれぐらい止っていましたか。

証 人: 2〜3秒だったと思います。

検察官: サファリの前後の車の様子はどうでしたか。

証 人: サファリが先頭だったと思います。

検察官: クラクションを鳴らす車はなかったですか。

証 人: ありませんでした。

検察官: サファリに証人の車は近づきましたか。

証 人: 近づくと発進したので、追い抜く事はありませんでした。

検察官: 近づいた時、危険はありませんでしたか。

証 人: ありませんでした。

検察官: 13枚目ではどうですか。

証 人: ここでは青でも発進しませんでした。(福田大橋手前の交差点)

検察官: (車の位置関係記入させる)

検察官: この時、何故車間距離が短かったのですか。

証 人: 私の前の車が左折したが、ゆっくりでも福田大橋を渡りきる辺りで
     サファリを追い抜く事ができました。

検察官: 何故追い抜いたのですか。

証 人: 私の勘では不審車のような走りだったので、ここを過ぎれば中野栄まで
     タイミングよく青信号で行けると思ったからです。

検察官: 速度はどのぐらいで走行しましたか。

証 人: メーターを見なかったのですが、時速50キロ〜60キロだったと思います。

検察官: もっとスピードが出ていたのではないですか。

証 人: 道路は比較的空いていましたが、スピードは出さなかったと思います。

検察官: この13枚目で何か感じた事はありませんか。

証 人: 私はここから先行していたのでヘッドライトがついていた事だけ確認しました。
     それ以外は感じませんでした。

検察官: 14 15 16 17枚目 (証人ありません)
     18枚目を見ていただきます。
     危険と感じる事はありませんでしたか。

証 人: 危険と感じる事がありました。

検察官: それはどこですか。

証 人: 三陸道の下の辺りです。
     私は営業所が近くなったので、右折のために右折レーンに入っていた時です。

検察官: サファリが接近してきたので危険と感じたのですか。

証 人: サファリは後方だったのですぐはわからなかったです。
     事故現場のびっくりドンキーのところの交差点が赤になっていたのでここから
     右折しようと思いました。事故現場の信号が青の時は銭湯極楽湯のところから
     右折する事もあるのですが、この日はここから右折しようとしていました。
     車が途切れ反対車線を渡りかかった時、私の車すれすれを通る車がありました。
     それがサファリだった事がわかりました。

検察官: この信号が赤であると気付いたのはどのぐらいの距離からですか。

証 人: 100mか200mで確認しました。

検察官: サファリが近づいてきたのはわかったのですか。

証 人: 最初はわかりませんでした。

検察官: いつ危険を感じましたか。

証 人: 反対車線に出て、すれすれにサファリが進入してきた時です。 
     そのままいたらおそらく間違いなくぶつけられたろうと思いました。

検察官: その時の明るさはどうでしたか。

証 人: 周りは明るく、見間違える事はありません。ツートンカラーもわかりました。

検察官: もし2〜3秒遅れたら大変危険な目にあっていたという事ですか。

証 人: そのとおりです。

検察官: 事故についていつわかりましたか。

証 人: 営業所に戻り、洗車が終わり、業務日誌を記入中にパトカーや救急車の
     サイレンが鳴って大きな事故が起こったと思いました。
     タクシーを入れ替えて帰宅途中、極楽湯をとおりぬけた
     午前4:30〜4:40ごろと思います。
     救急車やパトカーが来ていて、多数の生徒さんが怪我をし、
     放心状態の人がたくさんいました。

検察官: 証人はあの事故を見てどう感じましたか。

証 人: 現場は余りにも悲惨な状況でした。もうちょっと遅れていれば、
     当然私の車に衝突し、育英高校の生徒さんにはぶつからなかったと思います。

検察官: サファリの運転に関し今思う事は何ですか。

証 人: 信号無視、指示無しの車線変更、青ですぐ発進できない状況。
     とても運転できる状態ではないと思えます。そんな事がわかっていれば
     当然運転代行やタクシーで帰るべきだったと思います。
     敢えて自分の意志で運転して、これだけ多数の人を死傷させました。
     交通事故を想定し運転した事は、無差別殺人事件として扱っても
     おかしくないと思います。

<反対尋問>

弁護人: あなたは45号線に入る前は1本南側の道路でしたね。
     45号線に入るところに信号があったと思いますが、信号は何色でしたか。

証 人: 鉄砲町から45号線に入るところで信号は赤で停車していました。

弁護人: あなたが45号線に入る前、仙台から多賀城市方面への信号は何色でしたか。

証 人: 赤から青に替わったので渡りました。

弁護人: 仙台から多賀城市に向かう対面信号は何色でしたか。

証 人: ・・・・・・・

弁護人: あなたは赤から青に替わったために発進しましたね。
     45号線の信号は何色ですか。

証 人: 赤でした。

弁護人: (1)にサファリがいる。赤だったのですね。

証 人: そうです。

弁護人: (a)で信号で止っていたのはどれぐらいでしたか。

証 人: 5〜6秒だったと思います。

弁護人: あなたの前には何台ぐらいの車がありましたか。

証 人: 3台ぐらいだったと思います。

弁護人: サファリの前にはどうでしたか。

証 人: 2台ぐらい。

弁護人: 後にはどうでしょう。

証 人: 2台ぐらいだったと思います。

弁護人: あなたは信号が赤から青に替わったので発進したのでしたね。
     サファリはどうでしたか。青になったので発進したのですね。

証 人: そうです。

弁護人: つぎに交差点(2)〜(3)にかけて質問します。
     サファリは2ないし3度車線を変更しましたね。

証 人: はい、しました。

弁護人: 何故車線変更したかという事についてですが、サファリの前に2台の車が
     いたと言いましたが、サファリが先行する車を追い抜こうとしたために
     車線変更したのではないですか。2〜3回続けざまにそうしたという事は、
     追い抜く事ができず、あきらめたという事ではないのですか。

証 人: そう思います。

弁護人: 交差点(2)(3)の間はどれぐらい離れていますか。

証 人: 300mかそこらと思います。

弁護人: その間に2〜3回やったという事ですね。

証 人: そうです。

弁護人: (2)から(3)にかけ移動する時、サファリの運転手は酒を飲んでいるとの
     推測をしましたか。

証 人: いいえ、推測はしませんでした。

弁護人: サファリの運転に関してはより高い技術が求められると思いますか。

証 人: そんな事はないと思います。

弁護人: (4)の交差点ではサファリの前後の車はどんなふうでしたか。

証 人: 記憶にありません。

弁護人: あなたの車の前には車はいましたか。

証 人: 先行車両が1台いました。

弁護人: あなたは(4)の交差点ではサファリが止まるのに十分な距離があったと
     言いましたが、それは何mくらいと言えますか。

証 人: 実況検分では測っていましたが、私自身は分かりませんでした。

弁護人: 何mかはあなたの指示で測ったのですよね。ここからこことかいうふうに。

証 人: 警察官同士は話ししていましたし、距離は教えてもらったのですが、
     今時間が経ったので正確な事は覚えていません。

弁護人: (5)の坂下交差点でサファリが止まっていたと言いましたね。

証 人: はい。

弁護人: (5)にいた時、サファリは一番先頭だったのですか。

証 人: はい、そうです。

弁護人: その後ろにはいなかったのですか。

証 人: はい、いました。

弁護人: (4)ではその車はどうしましたか。

証 人: 赤で私と一緒に止まっていました。

弁護人: 原町駅交差点と坂下交差点は信号が同じタイミングで替わるのですか。

証 人: そう思っています。

弁護人: 原町駅交差点で止まっている時、坂下交差点は見えるのですか。

証 人: はい、見えました。

弁護人: さっきの証言ですと、サファリは青になっても発進せず、あなたが近づくまで
     5〜6秒かかったという事は、その時間止まっていたという事ですか。

証 人: そうなります。

弁護人: 坂下交差点が青になって、少ししてからサファリも発進し、
     あなたはしばらくサファリとの間隔を保って走行したのですか。

証 人: 坂下交差点から(6)までは前方にサファリを見ながら走行しました。途中、
     苦竹二の交差点付近では1車線となったので後ろを走行するかたちとなりました。

弁護人: (6)にいたるまでの走行で危険を感じる事はありませんでしたか。

証 人: 危険な運転はなかったと思います。

弁護人: あなたが走っていた車線には他の車は走行していましたか。

証 人: 1台いました。

弁護人: サファリは同じ車線を走っていた車を追い越そうと思って車線変更したと
     ありましたが、交差点(6)付近ではどうでしたか。

証 人: 急いでいる様子はなく、比較的ゆっくりした走行でした。

弁護人: (6)の信号では赤になってから止まれる距離だったとの事ですが、
     何mぐらいでしたか。

証 人: 今の時点では何mとはいえません。

弁護人: 交差点(7)での様子はどうでしたか。

証 人: 信号が赤なのに無視していきました。

弁護人: サファリの前には車はいなかったのですが、後方にはどうでしたか。

証 人: はっきりと覚えていません。

弁護人: (8)では青信号で止まっていたとありましたが、どのぐらいの時間でしたか。

証 人: 2〜3秒でした。

弁護人: サファリの前や後ろに車はいましたか。

証 人: いたかどうかは分かりません。

弁護人: あなたが右折しようとしていたところではどうでしたか。

証 人: 右折しようとしていたら後ろを通り過ぎました。

弁護人: 1レーン2レーンどちらですか。

証 人: 右折のレーンでした。私が対向車線の車が途切れたので右折している時です。

弁護人: 右折しようと待っている時ですか。

証 人: 対向車線を横切っている時です。

弁護人: サファリが通過していった時、どれぐらいの速度でしたか。

証 人: 結構なスピードで、まあ時速60キロあるいはもっとあったかもしれません。

弁護人: あなたが発進して直後に事故が発生しました。
     衝突音やブレーキの音など聞こえましたか。

証 人: まったく分かりませんでした。多少窓は開けていたのですが、
     車内は結構うるさくラジオもつけていましたから。
     その時点ではまったく分かりませんでした。

裁判官: 坂下交差点(5)から(6)までの間で信号機によるストップはありましたか。

証 人: 苦竹交差点とネッツトヨタの交差点で赤になりました。

裁判官: その時、サファリは止まりましたか。

証 人: 止まりました。

裁判官: サファリが発進する時、不自然さはなかったですか。

証 人: 特にありませんでした。
 
裁判官: (6)から(7)の間で信号ストップはありましたか。

証 人: バイパス過ぎてすぐの交差点が赤でした。

裁判官: この時、サファリは止まりましたか。

証 人: 止まりました。ブレーキランプも点いていました。

裁判官: 右折する時の交差点で、サファリはどのレーンを通過したのでしょう。

証 人: 右折レーンを出て、ぎりぎりのところを通過したので右折レーンと思います。

裁判長: これで証人調べを終わります。
 
(検察側、弁護側に今後の裁判手続きを話し、次回公判を10月11日10:00からとする事を告げ閉廷)
 
 
BACK