2015/16 Topics 映画鑑賞会「氷川丸ものがたり」 生徒感想文
 
 秀光中等教育学校

「戦争を決してしてはいけない」という
映画のメッセージを伝え続けていきたいです


5年 小野さん(亘理小出身)

 「氷川丸」という船の存在を私は、この映画を通じて、初めて知ることができました。
 まず、映画を観て驚いたのは氷川丸の内装そして搭載されていた技術力の高さです。昭和初期、戦前の日本の技術力は私の想像よりも遥かに高いところにあったことに本当に驚きました。主人公の次郎が氷川丸に憧れ、惚れ込んでしまう気持ちもよく理解できました。
 氷川丸は戦時中、負傷兵を運ぶ役目を担い、本来の仕事からは遠ざかってしまいましたが3度の触雷を乗り越え、戦場へ向かった船は負傷兵にとっては命を助けてくれる救いの船であり、戦後の日本国民にとっては希望を与えてくれる船であったと思います。
 また、映画では氷川丸と船に乗る者としての誇りを持ち続け、氷川丸を支えていた船員たちとは対照的に日本を戦争の道へと導いた軍の指令部の人たちの姿は本当に愚かに描かれていました。氷川丸が果たした偉業とその愚かな姿を並べることで、「戦争は決してしてはいけない」という映画が最も訴えたいメッセージがとても強く伝わってきました。
 この映画を鑑賞した私たちが、これからできることはこの映画が訴えたことを忘れず、そして伝え続けていくことだと思います。将来、自分たちが担う役割を教えてくれた氷川丸とこの映画に感謝したいです。このような貴重な体験を生かして、世界の平和と未来を担える人になれるよう、勉強にさらに励んで行きたいと思います。

 特別進学コース

船に乗った人々を無事に運んだ氷川丸は
乗客を守る母親のようでした


1年 槻川原さん(多賀城中出身)

 この氷川丸を見て、最初の次郎が船に乗り始めた頃はとても平和で夢や希望にあふれていたのですが、戦争が始まった瞬間にその壮絶な苦しみをこの映画で見てとても心が痛みました。
 この映画で印象に残った場面は船長が絶対に武器を氷川丸に乗せないと言ったところです。この船は戦時中に特設病院船として運航されていたのですが、軍の命令で武器を船に乗せろと言われたのに対して、氷川丸は人の命を守るためにあるから武器を乗せることはないといった船長の言葉から、船長である責任と誇りを持っているのだなと感じました。
 劇中に乗組員の人が、氷川丸は船員の母のようなものだと言う場面がありましたが、本当に私もそう思います。理由は様々ですが、一番は、傷病兵を運んでいる時に3度の触雷があったにも関わらず、沈没することなく2万8000人を日本へ輸送したことです。私はまるで、母親が必死になって船に乗っている全員を守ったかのように感じました。
 「氷川丸ものがたり」は氷川丸と次郎を中心とした戦時中の話ですが、この頃は生きるのにみんな必死で、やはり戦争はあるべきものではないと思いました。この映画やほかの作品でもそうですが、戦争で失うものは多くありますが、得られるものは何もないと思います。ですので、私達は今あるこの平和を保つようにし、二度と戦争が起きないような社会を作っていくべきだと思いました。

 外国語コース

何があっても諦めてはいけないと
氷川丸と乗務員の姿勢から学びました


2年 阿部さん(秀光出身)

 氷川丸ものがたりを鑑賞し、一番に感じたのが戦争の悲惨さです。初めは世界中の沢山のお客さん達が集まりパーティーや運動会も行う賑やかな氷川丸でした。とても壮大で優雅な氷川丸に、私は「自分も乗ってみたい」と感じました。しかし時代と共に氷川丸は病院船と変わっていき、その華やかな印象は一変しました。今までお客さんとして船に招かれていた外国人の人達が敵となり、一緒に一生懸命働にいていた仲間たちが戦争で亡くなっていく背景に、私は涙が出そうになりました。もし私が次郎の立場だったら、大好きな船が病院船となり、そこで沢山の人々が亡くなってしまうのを見るなんて、きっと耐えられないと思います。事実、本当に現実の世界でもこのような経験をした人達が沢山いたんだと思うと胸が痛くなり、改めて戦争について深く考えさせられました。それから戦争が終止符を打ち今度は引き揚げ船として活躍する氷川丸に、私は「かっこいい」という印象を受けました。同時に、なにか動物のように、氷川丸に愛着がわきました。
 戦争があっても嵐があっても最後まで乗り越えた氷川丸と乗務員に、とても感動させられると同時に、自分も何があっても諦めてはいけないんだということを、改めて学びました。
 私もいつか、氷川丸を見に横浜港に行ってみたいです。

 英進進学コース

仕事をまっとうする強さをもつ、
氷川丸のような男になりたいと思いました


1年 多田くん(六郷中出身)

 今回、氷川丸ものがたりのアニメーション映画を観て様々なことを感じました。
 まず、1つ感じた事は、主人公の平山次郎の氷川丸への一途な愛です。まだ小さい頃から氷川丸の乗務員として仕事をし、大人になっても、戦争に出てもおじいちゃんになっても氷川丸を愛し続けられるというのは同じ男として尊敬しました。大切な氷川丸や乗組員をバカにされ怒った場面は正直もう1発なぐってもいいんじゃないかと思えてしまいました。
 2つ目に感じた事は、氷川丸のすごさです。ものすごく大きな貨客船としてシアトルと日本を何百回も行き来し、戦争中も戦争後も大きな役割を任せられ、それをこなすというのは本当に頑丈で様々な人々に愛されてきたんだという事が伝わりました。1個や2個船底に穴が開いてもきちんと対処し復活させ進むあの姿に驚きました。
 戦争では多くの人が亡くなりましたが、また多くの人々が氷川丸の活動によって助かりました。嵐にも爆弾にも負けない強さと引退するまで仕事をまっとうする強さを持っている氷川丸みたいな男になりたいと思いました。
            

 情報科学コース

今当たり前だと思っていることについて
考えるきっかけを与えてくれました


2年 菊池くん(岩沼中出身)

 華やかな時代を経て活躍した氷川丸。私の中で一番印象に残っているのは、病院船・引き揚げ船となった氷川丸です。華やかな豪華客船が、まさか傷病兵であふれることをだれも予想しなかったはずです。戦争により、ケガをした人、病気と飢餓に苦しむ人をたくさん助け、未来への夢と希望を与えました。
 主人公の次郎にとって「夢と希望」の象徴であった氷川丸が、戦争により、病院船・引き揚げ船になった当初は、悔しかったと思います。あんなにも憧れ続けて、やっと一人前になったとたんの事だったから。しかし、そんな中、次郎も徴兵され、戦争の地へ送られます。今思うと、私たちと同じ年で、日本のために戦うとはいえ、人と人が殺し合うなんて、今の私には、到底不可能です。勉強したくても出来ない。おなかが減っても食べられない。そんな世の中が当たり前になっていた時代があったことは忘れないようにしたい。現代に生まれて、当たり前のように食べて、当たり前のように生活できることは、とても幸せなことなんだと改めて実感することが出来ました。
 こうして、戦争の苦しさ、残酷さを持った氷川丸は、ほかの大型商船が戦禍を被って、次々と沈んでいく中、3度触雷しながらも多くの命を日本に運びました。
 この物語は、当たり前に生活している現代とどのように向き合っていくべきか、考えるきっかけを与えてくれました。  

 フレックスコース

主人公の夢を純粋に追いかけていく姿を
見習いたいと思いました

2年 細谷くん(秀光出身)

 今回、氷川丸ものがたりを鑑賞して感動する場面がたくさんありました。初めは次郎が幼少期の場面があり氷川丸に憧れそこの船員になりたいという夢からものがたりは始まりました。夢があり純粋に船員になりたいという次郎の素直な姿に学ぶものがありました。自分たちも大人に近づき何が駄目で何が良いのかの判断もある程度のことは親に頼らず自分でできるような年になりました。そうなると何事もやる前から決めつけてしまい、挑戦する気持ちや恥をかいて成長するということを避けてしまっています。次郎の行動を見ているとこうしたい、こうやったほうがいいと思えばそれをすぐに実行してありのままの自分を出しています。現実では思った通りに気持ちを出したり、言ったりすることはできないかもしれない。だが、そういう素直で純粋な気持ちは自分達も忘れずに心のどこかに置いておきたいと思います。ものがたりは次郎が年を重ねていくごとに戦争の話に変わっていきます。氷川丸は乗客船ではなく戦場で怪我や重体となってしまった人々を救う船に変わります。戦争は映画などの作った映像でもその当時の恐怖が伝わってきます。日本が戦争から離れて70年が過ぎ、この話は何年経とうとも風化させてはいけないと思います。しかし、世界では自分達よりも年齢の低い子も戦地に立たされている国もあります。いかに自分達が恵まれていて、平和が一番の幸せだということを考えながら生きていきたいと思いました。

 技能開発コース


氷川丸は戦争の記憶を風化させないために
大切な存在だと思います


1年 大橋さん(福島桃陵中出身)

 氷川丸ものがたりを見て感じたことは、大きく分けて2つあります。
 1つ目は、元は客船だった船を、病院船として使わなければならないほど、戦時中は追い詰められていたのかということです。氷川丸は、客船が全盛期といわれた時期に活躍した船だったそうです。たくさんの人々が、この船に憧れたはずです。そんな船を病院船や引き揚げ船として利用しなければならなかった戦争は、やはりあってはならないのだと考えさせられました。氷川丸は今でも残されているそうですが、氷川丸は、戦争はあってはならないものだと思い出させてくれる、大切な存在だと思います。
 2つ目は、そんな戦争の最中であっても、再び氷川丸に乗ることを諦めなかった主人公は本当に凄い人だなということです。かつては同じ船に乗っていた人や父の店に来ていた少年など、たくさんの人が死んでしまいました。その中で諦めてしまってもおかしくないはずです。それでも諦めずに、氷川丸に乗ることをかなえた彼の姿勢は、たくさんの人々に希望をあたえたのではないかと思います。
 氷川丸ものがたりからは、戦争はあってはならないものだということ、何事も諦めないことなど、たくさんの事を学びました。自分を見つめなおす、いい機会になりました。

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