実行委員長挨拶(「京都研修のしおり」より」)
 
 3月11日に東北を襲った東日本大震災から、もうすぐ5ヵ月が経とうとしています

 この震災は私たちから多くを奪い、この京都研修も一時は中止となりましたが、皆さんの協力により、なんとか無事にこの日を迎えられたことを本当に嬉しく思います。

 しかし、いまだ各地では瓦礫が積みあがり、避難生活を強いられている方たちが大勢います。そのような状況で私たちは京都へ行くので、「秀光」だけでなく「宮城」という看板も背負うことになります。その自覚を持ち、秀光生らしい、きちんとした行動をとってほしいと思います。

 ところで、今回この京都研修を、皆さんはどのような目的・テーマを持って過ごすつもりでしょうか?

 「大学を知る」「歴史を学ぶ」など、様々なテーマがあると思います。本来の目的は『研修』なので、「思い切り楽しむ」というだけではテーマにならないかもしれませんが、私はそれでもいいと考えています。目的もなしに研修に参加する方が、もったいないですから。特に思いつかないのなら、「やりたいこと」でも構わないのです。ただし、ひとつ私からお願いがあります。貴重な四日間を漫然と過ごすのだけはやめてください。何故だと思いますか?それは、目的を持たずして結果を得ることはないと思うからです。

 例えば、「大学の雰囲気を知りたい」と思っているのであれば、京都大学で講義を受けるときに、きっと大学の敷地内を見て回りながら様々な発見ができるに違いありません。校舎や学生さんたちの様子を見ながら、自分の中で大学のイメージを作り上げるはずです。しかし、「行かなければならないから行く」という考えで大学の門をくぐる場合、単に好奇心のあるものに目が行くだけで、自分から何かを発見することはないでしょう。後で思い返したとき、場所もよくわからないし、講義も覚えていない。結局友達との会話しか思い出せないとなったら、あまりにも寂しくありませんか?

 もちろん、それぞれの個性があり、興味の対象も異なるから、「すべてのことに目的を持ちましょう」とは言えません。ですが、何か一つでも知識を深め、思い出以上の『記憶』を残してほしいし、そのための研修旅行なのではないかと私は考えています。

 ぜひ、自分だけの研修目的やテーマを持って、京都での四日間を存分に楽しんでください。新たな発見を土産に、全員が笑顔で仙台に帰ってこられると信じています。