Shukoh Topics 2008/09  秀光中等教育学校第6回卒業証書授与式
 
■答辞
第8期生卒業生代表 勝見くん
 
 頬をなでる風にまだ冷たさは残るものの、「光の春」の言葉通りに、長くなった日差しが春の訪れを告げております。本日は多数のご来賓の方々のご臨席を賜り、厳粛な中にも心温まる秀光中等教育学校第6回卒業証書授与式を挙行してくださいましたことに、卒業生一同心より厚く御礼を申し上げます。

 月日が経つのは速いもので、6年前の4月、このグローリーホールにわずかの不安と大きな期待を抱いて入学式を迎えた私達8期生は、ただ今の校長先生、父母教師会会長様、在校生代表の温かい祝福と励ましのお言葉と力強い合唱とを胸に大空に飛び立とうとしております。この秀光中等教育学校で、私たちは人格形成においてとても大切な時間を過ごしました。入学直後、2週間にわたって行われたニューライフプランに始まり、どうしたらよいのかわからずにただ先輩方の後ろをついて行くだけの1年生でしたが、3年次、親元を離れての初めての長期海外研修であったユーロスクールにおいては、今までになかった体験をし、一回りも二回りも大きくなって、帰国いたしました。ツェルマットの教会でのチャリティーコンサート、慣れない英語を使ってのコンサート開催のチラシ配り、右も左もわからぬザルツブルク、ウィーンでの自主研修、アイルランドでのホームステイなど、楽しかった思い出が走馬灯のように蘇ってまいります。

 後期課程に進んでからは、京都研修で学んだことを基に8000字の自由研究論文を書き上げましたが、その完成までの辛かった日々が昨日のことのように思い出されます。さらに生徒会活動やスポーツチャレンジ・球技大会などの各種行事では多くの後輩たちを指導するという経験をし、人の上に立ち指揮することのむずかしさを学ぶなど、学園生活では実に多くの友人と出会い、たくさんのことを学びました。今日の自分があるのは、その友人たちと切磋琢磨したところに負うところが大きかったと思います。

 また6年間私達を温かく見守り続けて下さいました先生方。この秀光で充実した6年間を過ごすことができたのも先生方の支えや励ましのおかげです。昨日までは当たり前のように受けていた授業も、もはや受けられなくなった今日、先生方には様々なことを教えていただいたのだと、今更ながら気づかされます。その時には気付かなかったことでも「あの時先生がおっしゃっりたかったのはこういうことだったのか。」と改めて気付くことも多いでしょう。先生方の教えて下さったことは何ひとつ無駄にせず、今後の自分を磨いてゆく糧にしたいと思います。

 そして、私達のあらゆる日常生活の中で常にしっかりと私たちを受け止め、喜び、悲しみを分かち合った家族。私達をこの秀光中等教育学校に通わせてくれた家族。毎日を楽しく過ごせたのは家族の理解があってのことでした。今まで本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願い致します。

 今、私達が飛び立とうとしている社会には多くの困難や課題が山積しております。日毎に悪化する国際経済の中での雇用不安と格差社会の拡大、地球規模での環境問題、人知を超えた自然災害の猛威、国際的にはテロと報復の応酬、憎しみと対立だけの相互不信、そして日本では少子高齢化による深刻な活力の低下など多くの課題が私たちの前に横たわっております。しかし、私たちはこれらの困難に対してひるんだり、逃げ出したりはしません。なぜなら私たちはこの秀光中等教育学校で、これらの困難に打ち勝つことのできる強い武器を手に入れることができたからです。ともに6年間学びあうことによって培われた友情のありがたさ、努力することによって得られる成果への喜び、自分を支えてくれるすべてのものに感謝することの大切さ、それらの教訓を在学中のたくさんの思い出と共に胸に刻み、今後、どんな困難が目の前に立ちはだかろうとも、私たちは全力でそれらを乗り越えてみせます。私たちは今、こうした思いを胸に、各自が選んだそれぞれの道を歩んでいきます。ひとつ上のランクに進み、さらに知識を深め、より有為な社会人になるよう日々努力してゆきます。今後ともご指導よろしくお願いします。

 最後になりましたが、秀光中等教育学校の益々のご発展と、校長先生をはじめ、諸先生方、そして在校生の皆様のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、答辞といたします。

 
   
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