2011 Topics  *7月17日 NYSEとのジョイントコンサート
 
 
 

2011 仙台育英学園 秀光中等教育学校
Joint Concert with
New York Symphonic Ensemble
〜3.11 追悼と復興への希望〜
2011年7月17日 
多賀城校舎グローリーホール

 
     
 
     
   秀光が誕生して3年目の1998年から毎年開催されてきたニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル(NYSE)とのジョイントコンサート。今年は3月の大震災により開催自体が危ぶまれましたが、7月17日(日)、各方面の方々からのご協力とご支援により本学園多賀城校舎グローリーホールを会場に開催されました。それも、日本を代表するピアニスト、仲道郁代さんの特別出演という“サプライズ”も加わって…。  
   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
中止もやむをえない状況から
さまざまな協力・援助を得て


 開催までのいきさつがコンサートプログラムに掲載されています。その一部を紹介しましょう。
 「 4月半ばにようやく新学期が始まり、新入生を迎えて校舎には生徒たちの明るい声や笑顔が溢れる昨今です。とはいえ、今年度のNYSEコンサートは、学園の被害も大きく、会場となる地域のコンサートホールも修理の見通しが立たないなど、中止もやむをえない状況でした。しかしながら、高原 守様(NYSE音楽監督兼常任指揮者)やNYSEのメンバーの熱意と、仲道郁代様をはじめ、各方面からのご協力・ご援助をいただき、本日開催の運びとなりました。」

 こうして開催された今年ジョイントコンサート。秀光中等教育学校 第3,4年保護者有志混声合唱団とNYSEによるフォーレの『レクイエム』から第1曲(入祭唱とキリエ)と第6曲(私を解き放ってください)からスタートしました。「被災された方々への追悼の気持ちをこめて歌います」(プログラムより)の言葉のとおり、グローリーホール内には厳かにして悲しみに満ちた合唱が響き渡りました。
   
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
被災された方々への祈りと
苦難を乗り越える勇気のために


 「みなさんにはとても寒くて冷たい春だったことと思います。けれども今日はこの音楽の時間をとおして、心の中に少しでもあたたかさと、これからに向けての熱い力と思いを持っていただけたらうれしく思います」の励ましのメッセージから始まった仲道郁代さんのピアノ演奏。ショパンの作品2曲が演奏されました。

 1曲目は『夜想曲 第20番』。「私が大好きなノクターン。とても静かな曲なのですけれども、祈りの思いを込めて演奏します」(仲道さん)
 そして2曲目は『ポロネーズ 第6番“英雄”』。「この曲は国をこえて、時代をこえて、沢山の人たちに勇気を与えてくれる素晴らしい曲です」と話してくださった仲道さんはこの曲誕生のいきさつと、なぜ今日この曲を演奏曲目に選んだかについて話してくださいました。
 ショパン作曲『ポロネーズ 第6番“英雄”』について
 仲道さんによる『英雄ポロネーズ』は、まさに国と時代をこえて、私たちの胸に力強く鳴り渡りました。
     
締めくくりは、会場がひとつになり
『ふるさと』を合唱


 休憩をはさんで、高原 守さん指揮とニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルによるプロコフィエフの交響曲第1番。続いて秀光オーケストラが加わってベートーヴェンの交響曲第7番から第1楽章。「NYSEの皆さんとともに、震災からの復興への希望をこめて」(パンフレットより)のとおり、力強い演奏になりました。

 ベートーヴェン交響曲第7番の演奏後、指揮者の高原さんがステージから私たちにメッセージをくださいました。
 「音楽は不思議な力を持っています。聴くと不思議と元気が出てきますので、しっかり聴いてください。音楽は一生の友達です。ですから、しっかり音楽を聴いてこれからの困難を乗り越え、頑張っていってください」
 この言葉に続き、最後は、会場がひとつになって『ふるさと』を合唱しました。
 「このコンサート開催の思いが、被災された皆様にとって苦難を乗り越える力、明日へのエネルギーとなれば幸いです」と結ばれているパンレットの一文。指揮者の高原守さんとニューヨーク・シンフォニック・アンサンブルのメンバーの方々、そして仲道郁代さんとさまざまな方面の方々のご支援により、この思いが音楽に楽器と合唱の響きになってホール中に満ちあふれた素晴らしいひとときでした。
 Program