▼誰もが人生を全うできて、
 命が大事にされる社会をめざして

 『2005年5月22日、本校の生徒3名が永遠に失われました。…」
 22日の朝8時50分、多賀城校舎に校内放送が流れはじめました。放送は8年前の出来事を振り返ることから始まり、犠牲となった3人の冥福を祈りながら“ I-Lion Day ”の趣旨を説明。その後、NPO法人 いのちのミュージアム代表の鈴木共子さんからのお話がありました。鈴木さんは活動目的を「誰もが途中で命を奪われることなく、その人生を全うできる…。そんな命が大事にされる社会を実現したい」と説明され、「今日は時間の許される限り、一人ひとりのメッセンジャーに出会っていただきたいと思っています」と生徒に呼びかけました。お話の後に、今回展示されるメッセンジャー159名の氏名、出身地、享年が読み上げられました。

《鈴木共子さんからのお話》

 鈴木さんの放送を聞いた感想を、生徒たちは次のように聞かせてくれました。

「大事なのは、生きていることなんだということを強く感じました」(フレックスコース類1年)
「結構若い世代や、小さい子が事故で亡くなっていることが多いんだと思いました」(フレックスコース類1年)
「メッセンジャー1人1人の名前が読み上げられたときに、自分の知っている人がいたらどうしよう、と思った。けっして他人事ではなく、真剣に聞かなくてはと思いました」(T-フレックスコース2年)


 

▼159名のメッセンジャーに込められた
 家族・友人の思いに触れて

 仙台育英で今年3回目の開催となる『生命(いのち)のメッセージ展』。多賀城校舎グローリーホール2Fには、交通事故など理不尽に命を奪われてしまった犠牲者159名が、白い人型パネルの“メッセンジャー”として並び、全校生徒が順番に見学を行いました。

 メッセンジャーは生前の身長と同じ高さで作られており、胸元には赤いハートとメッセンジャーの写真、そして犠牲となった事柄の詳細や、家族・友人からのメッセージが書かれています。足下には「生きた証」である遺品の靴が並べられています。これらの展示品をそれぞれの思いで見つめながら、突然命を奪われた犠牲者や、家族の心境を思い浮かべて涙を浮かべる生徒も…。
 生命のメッセージ展を見た、生徒達の思いを紹介します。

生命のメッセージ展 …生徒達の感想…

 

 

『生命(いのち)のメッセージ展』とは

 飲酒運転等の交通事故、さまざまな犯罪、いじめによる自殺などの理不尽な状況で命を奪われ、メッセンジャーと呼ばれる、白い人型パネルとなった犠牲者が主役の展覧会です。2001年に16名のメッセンジャーから開始し、全国で展示が行われています。